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ベルセルクキングダム・ギルドページへようこそ! (ネタ元) 現在メンバー募集中!! このギルドはプリウスオンラインで活動しているギルドです。 現在51名、ギルドレベル3の皆でワイワイ楽しくやってるギルドです。 主にデュオの3chで活動しております。 主な活動内容は、クエストのお手伝い、ダンジョンへの挑戦、PTプレイなどです。 ギルド方針は、楽しくやる、誰とでも気兼ねなく話せるようにする、遠慮なく頼めるようにするです。 ※ギルドに入りたいなど、何かありましたら下のリンクより書き込みよろしくお願いします。 お客様用掲示板 ・ギルドルール 1、INしたときと落ちるときは挨拶をお願いします。 2、ギルドメンバーや他の人に迷惑な事をしない。 3、ホルンなどで痛い会話をしない※上記に違反するような行為を行った場合、除名もありえますのでご了承ください。 ★現ギルメンへ・・・・メンバー紹介に自己紹介などを載せたい方は、メンバー専用掲示板に書いておいてください。 載せておきます。(強制ではありませんので・・・・) ここはプリウスオンライン内にあるギルドのページ(ファンサイト)であり株式会社ゲームオン及びプリウスオンライン公式サイトとは何の関係もありません
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LV31まではやって無いのですがスキルを見れたので編集しました。 - 名無しさん 2010-02-16 16 24 46 25 - 名無しさん 2010-02-23 14 25 31 LV25からほんとLV上げづらいと言うか結構大変ですね、31まで上げての感想みたんくなりましたけど編集して見ました - 名無しさん 2010-02-23 14 26 38 斧二刀はマナが続くのであればファイアーソード&パワーヒット連打で強いです。付加効果ですが補正効果は両手分発動してるか確認できていませんが、ステUPは両手分効果あるようです。初撃はファイアーソード+パワーヒットをかけてから攻撃、その後パワーヒット→ファイアーソードの繰り返し。ステータスは火力UPの力とマナアップの精神の2択か?スキルで早く殲滅しないと辛いので体力と集中は必要無く感じました。 - 名無しさん 2010-03-04 05 33 43
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MK/SJ01-059 カード名:“もしものミライ”アルセーヌ カテゴリ:キャラクター 色:青 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:1000 ソウル:1 特徴:《怪盗》?・《仮面》? 【自】 このカードが手札から舞台に置かれた時、あなたは自分の山札の上から1枚を公開する。そのカードが《怪盗》?のキャラなら手札に加え、あなたは自分の手札を1枚選び、控え室に置く。(そうでないなら元に戻す) 【自】集中[① このカードをレストする] あなたは自分の山札の上から4枚をめくり、控え室に置く。それらのカードのクライマックス1枚につき、あなたは自分の山札を見て《怪盗》?のキャラを1枚まで選んで相手に見せ、手札に加え、その山札をシャッフルする。 レアリティ:MR RRR SP illust. 水島空彦 17/03/31 今日のカード。 遂に出た怪盗サイドの集中。 コンソール操作 ネロの能力と、山札サーチのアド集中を併せ持つ。 怪盗デッキではほぼ必須のカードである。
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アルセダインの廃墟 適正レベル:28 授与NPCの名前:アルセダインとその調停 授与NPCの所在:エステルディン(デアブーンの隣の建物内。エピック三巻を進めた後はアイストゥエンのいる建物) 前提クエスト:―― 派生クエスト:―― 授与ダイアログ 本の表紙には「アルデュリンとその植民地」というタイトルが刻印されている。本の表紙は、多くの人の手に触れられたように擦り切れている。折り目のつけられたページがすぐに開き、そこにはこう書かれている」 「…当時のアルセダインの北東部では、ファイブ・タウンズと呼ばれる五つの大きな集落が栄えていた。それは、フォルノストの南のヘネス・ルーン、古代の川にまたがるデュインタム、北の丘にあるカルノグリン、湖の地にあるオスト・アルデュリン、そして今はエステルディンと呼ばれるドリンディアだ」 「私たちは北連丘の野伏にこの五つの町すべてを訪れ、初めの石のありかを突き止めるよう奨励している。自分たちのルーツを忘れないでいることは重要なんだ…」 背景 アルセダインの五つの町の初めの石を説明している本を見つけた。今ではほとんどが廃墟となっているが、これらの町は「フォルノストの南のへネス・ルーン、古代の小川にまたがるデュインタム、北の丘にあるカルノグリン、湖の地にあるオスト・アルデュリン、そして今はエステルディンと呼ばれるドリンデュア」だ。 目的 目的1 アイストゥエンに話しかける アイストゥエンに五つの町の本について尋ねる 目的2 今はエステルディンと呼ばれるドリンディアの創建の碑を見つける 今ではエステルディンと呼ばれるドリンディアの創建の碑を見つける 目的3 アイストゥエンに話しかける アイストゥエンと、五つの町の本についてもっと話そう 目的4 ヘンネス・ルーンの創建の碑を見つける-ドゥインサムの石を見つける-カルノグリンの創建の碑を見つける-オスト・アルドゥリンの石を見つける 残りの創建の碑を発見する 目的5 アイストゥエンに話しかける アイストゥエンところへ戻り、あなたの探索の話を伝える 0/ 報酬 固定報酬 指輪:タリンゴール 選択可能な報酬 ―― 経験点 経験点:3123XP 攻略情報 創建の石がある廃墟はミナス・ブルン、オスト・ラゴロス・オスト・ガルマー、メレノスト、エステルディン コメント/ヒント等 アップデートでクエストの手順変更。(中途だった場合は自動破棄) 本を見つけてアイストゥエンに話しかけた後、エステルディンの石を調べて報告、その後に他の4つを探しに行く。 -- 名前 コメント
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雪 (2) 「小隊長、降ってきました」 コルネリアの声に、ルキアニスは、また少ししくじったな、と思いながら、天幕を開き、外へ出た。 天幕の裾が、ひらり、ひらめいて、明かりが外に漏れ、その足元で白い雪片の影が舞う。闇の中にコルネリアの息の気配がする。こんなに早く降り始めるなら、見張り役はルキアニスがやればよかったと思った。明け方か夜半かと迷って、より寒い明け方にやるつもりだったのに。 今、ほぼ敵と言えるものは無くなったとはいえ、ここはまだ戦地で、見張り役を立てねばならない。それは決まりがそうであるからだし、ルキアニスも気を緩めるつもりはなかった。 「見張はもういい」 とはいえ、雪が降り始めれば、話は変わる。魔術でも使わぬ限り、雪を浴びながら、夜を歩き回れば、それだけで死ぬ。北方の者が一番よく知っている。だから帝國軍は、雪が降り始める前に、バルタス全土の安堵をはかるために、勘定作戦を進めた。 「中で休んで」 「はい」 応じるコルネリアの声は寒さで震えていた。雪が降り始める前の方が寒い。天幕に入ると、彼女の外套の頭や、肩には、もうすこしの雪が積もっていた。濡れた彼女の外套を脱がせて、天幕の真ん中の火に当らせる。震える彼女は、両手を火にかざす。 「・・・・・・」 何も言わず、アスランは茶を注ぎ、それから碗をコルネリアへと持たせた。 「ありがと」 コルネリアは湯気にあたるようにして、それからお茶を飲んだ。わずかに眉をひそめる。 「・・・・・・なに、これ」 「胡椒が入ってる。温まるって聞いたことがある。違うかもしれない」 アスランはそっけなく言う。コルネリアは、湯気の中で瞬いて、それから笑った。 「信じることにする」 そのコルネリアの肩に、ルキアニスは毛布を掛けてやり、それから肩と腕をさする。毛布越しにも冷えているのが判る。 「・・・・・・あ。ごめん。さすってたら飲めないよね」 「いえ、役得だと思うのでそのままで」 「役得?」 「・・・・・・」 コルネリアが茶碗を置く。あいた両の腕で彼女自身を抱え込む。どうしようかと見るルキアニスを、彼女は見返した。少し考える風に視線を上げ、それから、人の悪い笑みを浮かべて、肩にかかった毛布を開いて見せた。 「さすってもらえるなら、もっと暖かい方が良いです」 「どういうこと?」 「凍えた旅人を温めるのは人肌っていうじゃないですか」 「!」 アスランがむせて咳き込む。 「なに言ってるんだ、お前」 「調子に乗ったこと」 「・・・・・・」 「そんな嫌そうな顔をしないでくださいよ、小隊長。火だけだと寒いなあ、って」 そう言われると、可愛そうにもない。今だけだからね、などと言いはしたものの、コルネリアに寄り添ってみる。やはりまだ、体は冷たかった。身を寄せて、ぴったりとくっついて、一つの毛布にくるまって座る。 「なんだよ、そのしてやったり、な顔」 なおもアスランは言う。コルネリアは笑って返す。 「いいじゃない、女同士だし」 でも、それは、結構な強がりなのだとルキアニスには思えた。彼女の体は冷え切って、かすかに震えている。いる。その背に腕を回して、寄り添う。ただ、温まるために、時を待つ。 コルネリアは茶碗を傾け、アスランはただ火を見つめている。降る雪のような、静かな時が、ただゆっくりと流れてゆく。 なんだか、ずいぶん久しぶりのことに思える。いくさなのだから、ゆっくりした時を過ごそうというのが、そもそも間違ってはいるのだけれど、そのいくさの中に、こんな時が来るとは思っていなかった。 「・・・・・・」 いや、これまでにもこんな時はあったのかもしれない。ルキアニスが気付かず、見過ごしていただけで。だから観相からも消え去ってしまって、ルキアニスにとってはその時は訪れなかったのかもしれない。 小さな焚火の中で、折られた可搬寝台の脚が燃える音だけが聞こえている。揺れる炎を、ただ見つめていた。染み込んだ仕上げ油の萌える臭いもする。かすかな煙が立ち上り、それは継ぎ合わせた天幕の、尖った天井に、わざと開いた隙間から抜け出してゆく。それが煙突代わりだ。 兵隊としては、待つのはいつものことだ。急がされた挙句に、待たされる。何もせずに帰ることもある。今のルキアニスは、それを命じる側で、今日は、しくじりすぎた。今日だけでないかもしれない。 「・・・・・・」 知らぬ間に、コルネリアの服を握りしめてしまい、そして、訝られたりもした。 「なんでもない・・・・・・」 人肌のぬくもりが近くにあると、弱音をこぼしたくなる。でも、それは、してはいけないことだ。近衛騎士団は他の部隊とは違う。人員は、帝國軍の中から配置されて、偶然に知り合ったわけではない。副帝陛下がお手ずからお選びになった者ばかりだ。 ルキアニスは、その本来の者ではない。もちろんルキアニスだって、その力を、それなりに買われて、近衛騎士団に呼ばれたのだ。そうだとは、思ってはいる。けれどそれは、必ずしも近衛騎士団の本来計画に基づいてではない、とも思っている。ルキアニスは、将来の、ほんとうの、近衛騎士団が生まれるまでの、支援要員に過ぎない、そう思っている。 いつかは、この子たちとも離れる。 今は今のまま、ただあるしかない。その時には、ルキアニスにできることを、やるしかない。それが何なのか、今でもよくわからない。 天幕に降る雪の、かすかな音が聞こえるようだった。時の降り積もる音とは、こういう音なのかもしれない。 いつのまにかコルネリアは眠っていた。半ばルキアニスに寄り掛かり、組んだ腕を、膝の上に乗せて、その中に顔をうずめるようにしている。促すだけで、目を覚ますこともなく、ルキアニスの膝の上に身を横たえる。 アスランは、起きている。夜半の不寝番は、彼を指名していたからだ。座ったままで、毛布にくるまり、なぜか不機嫌そうだった。良くわからないけれど、アスランは急に拗ねることがある。 「何?」 「べつに」 そういう時は問うても答えはしない。答えはしないのだけれど、ルキアニスもやはり問わずにいられない。アスランは言う。 「寝てください。明け方の不寝番は、小隊長でしょう」 「うん、じゃあ、お願い」 「判ってます」 そっけなく言うアスランにうなずき返し、ルキアニスは前に横たわるコルネリアからそっと身を退かせ、それから、同じように横になる。狭いのだから仕方ない。 そうして目を閉じる。 アスランに起こされる前に、ちゃんと目を覚ますことも出来た。起きた時に見たアスランは、まだ不機嫌そうだ。今の不機嫌は、眠いからだろう。コルネリアは、先とあまり変わりなく眠っている。懐中時計を見ると、ちょうど交代すべき頃だ。 「変わったことは?」 「何もありません。外は見ていませんが」 「構わない。不寝番交代」 はい、と応じたアスランは、座ったまま、背筋を伸ばし、両腕を高く伸ばす。ん、と小さく声を上げて、腕を降ろした彼は、ちらるとルキアニスを見て、目を逸らす。 「なに?」 そういう時は、何か言いたい時だ。聞かないと、答えない。いえ、べつに、とぼそぼそ言ったものの、やはりアスランは応える。 「俺でも、同じ毛布にくるまりました?」 「うん」 「ならいいです」 「なにが?」 「・・・・・・いいです」 それだけ言い残して、狭い中でアスランは器用に背を向け、横になる。横になってから、仮の枕の上に、短銃を置いた。それが、御実家から送られたものらしいことは、ルキアニスも知っていた。上下連装の片手銃で、発火装置は左右についている。 背を向けたまま、彼は不意に言う。 「お茶、入ってます」 「ありがとう。もらうね」 はい、と彼は応じる。それだけだった。吐息はすぐに、寝息へと変わってゆく。 あとは、待つだけだ。火が消えないようにしながら、アスランの入れてくれたお茶を飲みながら。 冷え込みは強くなっている。朝は近い。一番暗くて、一番寒くなる刻限だ。そういうときを、ただ目を覚まして、待つのは辛い。お尻も痛い。もうこんな失敗はしないようにしよう、と心に固く決めたりもする。 どこで間違えたか、と言われれば、部品を借りてでも直接支援を続けたところだ。あそこで断れば良かった。断ればよかった、と言って、本当に断れたかどうかは、わからない。支援できるか、と問われて、雪が近そうだから帰ります、とも言えない。そんなことをで支援を躊躇するようでは、黒騎士ではない。 そうなると間違っていたのは、出立したことで、あの時無理に出立せずに待てば良かったともおもう。あるいは、せめて、風の魔道相の者に天気の先行きを問うておけば、と。それだ、とルキアニスは重い、一人手を打った。 もうすこししたら、夜が明けたら、外を見るつもりではあった。三つの携帯天幕を組み合わせた天井、突き合せにわざと開いた、煙道のための隙間から、ほんのわずかに夜空が見える。雪はもう、ほとんど止んでしまっているらしい。その空が明るくなるまで、辛抱強く待つ。 それが曇天だと判るようになり、やがて雲そのものが明るくなってゆく。 ルキアニスは剣を取った。その刀身を半ばまで抜き、さらに抜き放ちながら、天幕を押しめくって、すばやく外へと出る。中の暖気を逃さないように。 足元で雪が音を立てる。外はもう明るかった。締め付けるように寒かった。 剣を抜いたのは、凍って抜けなくなってしまうと困るからだ。そういうことがあるのだと、ずっと昔に教えてもらった。抜けなくなったとき、どうしたのかと問い重ねたら、鞘そのままで打込んだと聞いた。木の鞘ならば、鞘が割れて、落ちるのだ、と。もちろん、今は外に敵がいると思っていたわけじゃない。 吐く息が、白く煙のように漂う。日が昇ったのかどうかは、よくわからない。時刻からすれば、日の出のころあいだ。辺りは、一面の雪化粧だった。何もかもが雪に覆われていた。どこが道なのか、さっぱりわからない。工兵が朝の点検に来るまで、留まるしかない。三機の黒の二の肩にも、背にも雪が積もっていた。雪を払い落として、状況検査だけでも一刻はかかるだろう。 天幕に戻っても、しばらくは剣を納められない。冷えた刀身を暖かいところに持ち込んで、そのまま鞘に納めれば、結露で錆びたり、また凍ったりする。だからと言って放っておけば、すぐに錆びる。それだけじゃないけれど、剣は役には立たない、と先生が言っていたのを思い出す。何だか妙なことばかり思い出す。なのに、ルキアニスたちには、熱心に教えてくれた。先生だけでなく、一緒に教わった先輩は、いまどうしているだろう、とも思う。 お前に勝たないと、一度でも勝たないと、僕は先輩として卒業できないんだ、と、そう言っていた。 「・・・・・・」 もう少しして、二人は起きだしてきた。一人が起きると、繋がれていたように、もう一方も目を覚ます。狭くて寒いところで、小さくなって寝ていたから、二人とも体が痛げだった。あまり休んだ気がしない、とコルネリアはぼやいた。 それでも残った薪を使って、お茶を淹れ、残った携帯糧食を煮込んで、朝ご飯にした。 辺りは明るくなり、ルキアニスたちが焦れて、外に出るころになっても、工兵隊の道路点検は来なかった。寒い寒いと、入れ替わりに外に見張りに出ても、来なかった。このまま今日は来ないで、また夜明かししなければならないのかしらん、と思い始めたころになって、丘のうねりの向こうに、橇が姿を見せた。軽輜重車の車輪に橇板をつけたものだ。 三人で手を振っているのに、橇はもたもたと道通りに進んできて、それからようやく三人へと馬首を巡らせる。 「ここで夜明かしとは、ご苦労様です」 御者席の従士は、とぼけた口調で言う。道はいつ通れるのか、と問えば、道を外れると危ないから、この馬車の帰りに誘導するので、それまで待って下さいと言った。本隊に連絡したいと言えば、それもこの馬車の戻りまで、待ってください、とも言う。それまで誰も通らないし、戻らないのだ、と。せめて薪は無いのか、と聞いても、巡察馬車には、そんなもんは積みませんからなあ、などと笑う。荷台には、もろもろ道具が山盛になっていた。何人もの従卒が乗り合せていて、たぶん仕事は山ほどあるのだろう。 「急病なら、乗せて宿営地まで戻りますが、いかがされますか」 「そこまでじゃないから、任務に戻るように」 「昼過ぎには、戻りますから、その時には薪と食べ物をお届けしますわ。それまで、待っていてください」 戻ったころに薪を受け取っても、邪魔にしかならない。がっくり肩を落としたけれど、荷台の従卒は、おすそわけです、と言って煮込みの入った飯盒を渡してくれた。まだ温かくて、それだけで泣きそうな気持ちになる。 「じたばたせずに待ったのは、さすがは黒騎士さんですわ」 御者席の従士は言う。こういう時は、あわてて急いで、とんでもないところで氷漬けになっていたりするもんですからな、と。そんなことで褒められても、少しもうれしくは無い。 「そういうのは、春にならんと見つかりませんから、それに比べれば早いことです。敵さんが残っていても、動きようがありませんから、一休みしていてください」 彼は笑って、それでは、と言うと、御者席ながら、ぴしりと左胸を右こぶしで打つ敬礼をしてみせる。直属でも配属でもないけれど、つられたルキアニスの答礼を受けると、彼は鞭を振るった。馬車は橇板で雪を踏みながら、ふたたびもたもたと進み始める。荷台の従士たちは手を振ってくれた。 彼らは時折止まっては、馬車を降りて、雪を掘ったりしている。どうやら道標を掘り起こしているらしい。進んでいるのは進んでいるのだけれど、どこまでもゆっくりと、出来るがままの様子だった。 「なんか、いらいらしても、仕方ない気がしてきた」 コルネリアが溜息を白く吐く。アスランが言う。 「冬が相手だからな」 「食べながら、待とうか」 ルキアニスは言った。それから三人で天幕へと戻った。薪ももう無く、魔力の火で、温めて食べた。工兵の巡察馬車が戻ってきたのは、本当に昼前だった。指先にふうふう息を吹きかけながら、機体の手入れと点検を終えた、ずっと後になってからだ。 あの従士の、それじゃあ、気をつけてついてきてください、という言葉に従って、ゆっくりゆっくりと道を進んだ。ただ雪化粧をしたバルタス王国は、美しいけれど、静かだった。 つい昨日までのいくさを、雪の下に隠してしまっている。でも、消えてしまったわけではない。春になれば、何よりも先に、姿を見せる。 例によってオチの弱いことで申し訳ない。ヤマなし意味なしオチ無しのヤオイ道を毎度邁進している。 雪の話を書こう書こうと思っていた。もう3年くらい思っていたw ルナマリアの指揮下で、雪かきする話とかを考えていた。でも、ゴーラ湾沿岸、あるいはモデルになったバルト海沿岸って、日本の豪雪地帯のような雪は降らないんじゃないかと思い直した。 すると、やっぱりラスプニッツァとかがモチーフになるのかと、考えたりもした。 何にしても、雪が降れば、敗走のバルタス軍はばたばたと死んでゆくだろうし、帝國側は越冬体制に入るだろうし、ラグナル軍も、国境防備体制で越冬するだろう。冬季の攻城戦を行わないだろうから、春まで戦争は止まる。 ゴーラの二度目の渡海反撃が、いつ行われるのかは未確定のまま書いてしまった。晩秋でもよいし、翌春でもいい。どちらであっても帝國軍はこれを撃破し、ラグナル軍はこの背後を討てなかったはずだから。 最後の渡海反撃、ヴェストラの渡海後に、ラグナル軍は飢餓動員を行い、国境に貼りつけた軍勢を引き上げて、決戦態勢に入る。その顛末はすでに書かれている通り。 という感じで書いてしまったけれど、イメージと違っていたらいつも通り「後から書き足して訂正してしまう」路線で一つ。 やっぱり、春になったら、双方が索敵戦を開始するんだろうか。ラグナル国王は、ゴーラ本国の反撃まで、持久体制を選ぶだろう。これに対して、敵の出方を探るため、騎兵部隊が国境の隙間を探すのだろう。見つからない、強い封鎖体制は、サウル・カダフに報告され、彼は予定通り、ゴーラ本国軍を、バルタスで迎撃するつもりなんだろう。 バルタスでの迎撃が、ゴーラ本国の持つ本来の内海機動力を無にする最良の手段だから。
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特徴 アルターを持つユニット 青 無常矜侍 アルター・エイリアス 常夏三姉妹 バーニング・サマー 黒 カズマ ラディカル・グッドスピード NRハンマー 絶影 ダース ビッグ・マグナム エタニティ・エイト ノーブル・テンペスト プログレッシブ・プロセッサー カズマ(シェルブリット第2形態) 最悪の脚本 スーパーピンチクラッシャー グレートピンチクラッシャー イーリャン カズマ(シェルブリット最終形態) ラディカル・グッドスピード脚部限定 エタニティ・エイト(エタニティ・エクストラショット) アルター結晶体 カズマ&君島邦彦 絶影(第二形態) 特徴 アルターに関連する効果を持つユニット 黒 イーリャン 絶影(第二形態) 特徴 アルターに関連する効果を持つキャラ 黒 劉鳳 プーリー 特徴 アルターに関連する効果を持つコマンド 黒 ホーリー 万能の宝刀
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ニックは今回ついに自分がグリムであるという真実を 恋人のジュリエットに告白します。 そのためにどうしたかというと まず、いきなりトレーラーにジュリエットを連れて行きます。 そしていわゆるグリムの書物をよみあげたり、 モーニングスターやボウガンといったグリム伝統の武器を取り出して それについて嬉々として語ります。 その姿をながめていたジュリエットの表情…欧米ドラマDVD 言葉は無くても目が語っています。 「きがくるっとる…」 と…。 グリムや怪物の話をするニックはどうみても アタマがおかしくなった妄想癖の男です。 ジュリエットは最初こそちゃんときいてあげていましたが だんだんその表情が 「かわいそう…」 に変わっていくのがもう爆笑モノでした… いや笑うシーンじゃないんだろうけども笑笑笑 というわけでトレーラーに連れて行ったところで ジュリエットの不審な顔はどうにもならなかったので ニックは強行手段を選びます。 そうだ!モンローが狼に変身するところをみせりゃあいいんだ!! というわけで 「最初っからそうせえよ!!!!!!!!!!!!」 と視聴者全員にツッこまれたところでモンローのおうちへ… モンローにお願いして狼に変身してもらいま…すが ジュリエットはバツグンのタイミングで毒に倒れるのでした。やっぱりきたよアダリンドの復讐 何話か前で ニックにキッスされて、魔女としての力を失い ただの美人になってしまったアダリンドさん。 上司(?)にも親御さんにも見放され、どうしてるかな??と思っていましたが やっぱりきました。 アダリンドの怒りの矛先は宿敵ニックの恋人ジュリエットに向かいます。 というわけでよ、 ジュリエットはアダリンドの手によって毒に倒れ、 こん睡状態に陥ってしまうのです… いったい彼女はどうなってしまうの????? といった結末は驚いたことに 来シーズンに持ち越しです。大オチ さてはてこのシリーズの大オチは ニック、告白しようとしてジュリエットにかわいそうな目で見られるの巻! ではなくこれ。 おかん、生きてたよ!! なんと!ニックが幼い頃に殺されたと思われたおかんが生きてました! 今回のストーリーでは事件の陰に黒フードの女がうろついてました。 ところどころに現れては捜査の邪魔をしたり、 ウー巡査をボコボコにしたりとちょっかいをかけてきました…が、 その謎の黒フードの女こそ、何を隠そう!!!! ニックのママだったのです!!!!! なんだってええええーーーーーーーーーーっ!!!!! なんなの!?!?!?!?!!? という感情以上にこれ。 グリム一族の女はみんなアクロバティックなんか!!!! という驚きのほうがでかかったわ。 シーズンアタマでニックにグリム秘伝のなにやらかにやらを託した 叔母のマリーも、病に倒れていたわりに アクロバティックに敵をやっつけたりしていたし ニックのママも、ちっさいけど仮にも警察官であるウーを いともカンタンにやっつけていました。 すげえや、さすがグリムの女… 今シーズンでまともに登場したグリムは叔母ちゃんとニックくらいでしたが 今後ママだけではなく第2第3グリムがわんさと登場するのかもしれませんね… っていうかママが登場したところでグリムシーズン1は終わりです!! 終わってしまわれました!!!!オーマイ。 ジュリエットの件も、アダリンドも、レナードも、 ドラゴンの女のこともなにもかも片付いていないので シーズン2への宿題となりました!!! とりあえず本国アメリカでは先月からシーズン3が始まっているみたいです! どうなることやら!!!!楽しみですねー 来シーズンもモンローが活躍するのかな?? 個人的にはロザリーとの関係がきになるうう!!! 日本ではいつから公開されるのかわかんないけど お楽しみにいいいいいいいだね!!!!!!!!DVD販売 =======================================グリム シーズン3 DVD (日本語字幕) 出演 デヴィッド・ジュントーリ, サイラス・ウェイア・ミッチェル, ラッセル・ホーンズビー, ビッツィー・トゥロック, サッシャ・ロイズ 監督 デヴィッド・グリーンウォルト 形式 Color, Dolby, Widescreen 言語 英語, 日本語 字幕 日本語 ディスク枚数 8(全22話) 販売元 ジェネオン・ユニバーサル DVD発売日 2014/06/01
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前ページ次ページベルセルク・ゼロ 時間は少し前後する。 ガッツが食堂を立ち去って気まずい昼食をルイズがとっていたころ、オスマンからガッツの調査を命じられた『炎蛇』のコルベールは蔵書数万とすら言われるトリステイン魔法図書室で大量に積み上げられた過去の文献と格闘していた。 何しろ手がかりがまったくない。つまり、しらみつぶしに『何かしら呪印を刻む儀式』を古今東西、種類を選ばず追っていかなくてはならない。 それは雲を掴むような話だった。 しかも―――これはオスマンにも報告済みのことなのだが―――コルベールはガッツが召喚された際、用心深くもディテクト・マジックをかけていたのである。 結果はまったくの『反応無し』。つまり、あの呪印には今のところ何の呪もかかってはいないのだ。 にもかかわらずオスマンは呪印の調査をコルベールに厳命した。 効力を失っている、無害としか思えない呪印に対してなぜそこまでオスマンがこだわるのか、コルベールにはわからなかった。 コルベールはメガネを外し、目頭を押さえるとひとつため息をついた。 とりあえずこの呪印については後回しだ。今度彼自身に話を聞いてみることにしよう。 そう決めるとコルベールは広げていた書物を閉じ、立ち上がった。 そろそろ授業の時間だ。教師が遅刻していては話にならない。 コルベールが教材を片手に図書室を出ると、そこにはミス・ロングビルが立っていた。 窓から射す光が彼女の長い緑髪を輝かせている。 自分を待っていたのだろうか―――? いやいや、そんなことはあるまい。彼女のような美しい女性が私のような男に個人的な用があるなどと、そんなことがあるはずがないではないか。 「やや、偶然ですなミス・ロングビ―――」 「お待ちしておりましたわ、ミスタ」 ロングビルの言葉にコルベールは仰天した。 「わわ、わたしなどを待っておられたのですか!? なぜ!? どうして!? ホワイ!?」 「研究熱心な先生に私、興味がありますの。色々お話を聞かせてくださらない?」 コルベールは有頂天になった。ロングビルと肩を並べて廊下を歩き、少しでも彼女の気を引こうと饒舌に語る。 ロングビルは相槌を打ちながら、時折質問を返し、話を盛り上げていた。 「ところでミスタ、宝物庫のことはご存知?」 「あまりに強力、もしくは危険なマジックアイテムを封印している倉庫ですな。それがどうかされましたかな?」 「いえ、あまりにも厳重に『固定化』と『反魔法』の魔法がかけられているでしょう? 中には何があるのかと、少し興味がありまして」 コルベールはロングビルの気を引こうと記憶を探り、過去に宝物庫に入った時に見た品々を紹介していく。 ロングビルのメガネがキラリと光った。 「なるほど、それだけの品が納められているのであれば、あれほど厳重に管理されているのも頷ける話です。賊に侵入されるようなことなど有り得ない話なのでしょうね」 「ところが私はそうは思わないのです、ミス・ロングビル」 「まあ、どういう意味です? ミスタ」 理知的な男であるところを見せようと、コルベールは前々から感じていた宝物庫の弱点についての考察を披露した。 ロングビルは興味深そうに聞いている。 「あの扉は魔法に対する対抗措置にばかり目がいきすぎて、物理的な衝撃に対する処置をおろそかにしているような気がするのです。例えば巨大なゴーレムが……」 熱心に自説を披露するコルベール。 コルベールが話を終え、ロングビルは妖艶な笑みを彼に向けた。 「大変興味深い話でしたわ、ミスタ」 「いやあ~はっはっは! 他にも聞きたいことがあればじゃんじゃんお尋ねください!!」 コルベールは絶頂だった。 そして彼は授業に遅刻した。 食堂を出たガッツは、これからどうしようか考えていた。 あの決闘の際、ギーシュとかいうガキは『オールド・オスマン』とかいう名前を出していた。 とりあえずその人物を探してみようかとも思ったが、そいつがどこにいるか、皆目見当もつかない。 『学院長』を務めているという話だから、この学院の者なら誰でも知っているだろう。そうあたりをつけたガッツは通りがかりの女生徒に声をかけた。 ガッツは気づいていなかった。今まで通りすがっていった生徒たちが怯えるような目でガッツを見ていったのを。ギーシュとの決闘を経て、自分がどんなイメージで生徒たちに伝わっているのかを。 「おい」 「ひっ!」 またガッツが何の気なしに女生徒の肩を掴んだのがまずかった。 黒い鎧を纏い、黒い大剣を振り回す黒い悪魔。 ギーシュとの決闘を目にし、その後様々な噂を耳にして、少女はガッツに対してそんなイメージを抱いていた。 そんな黒い悪魔に肩を掴まれたその少女は容易くパニックに陥った。 「いやあぁぁぁ! お か さ れ る ぅ ぅ~~~~ ! ! ! ! 」 「な…!?」 少女はとんでもないことを口走る。さすがのガッツもあまりの事態に咄嗟に判断を下せずにいた。 おかされるぅ~おかされるぅ~おかされるぅ~。 少女の悲鳴は石造りの廊下をよく反響しながら奥へと吸い込まれていく。 そして悲鳴が吸い込まれていった廊下の奥からおびただしい数の男子生徒が集まってきた。あっという間にガッツを取り囲む。 何か事態がとんでもない方向へ進んでいる気がする。なんなんだこれは。ガッツは思わず眉間を押さえた。 「貴様! ルイズの使い魔の黒い悪魔!! 貴族を愚弄しただけでなく、今度は婦女子に暴行を加えようとするとは……もはや到底見逃すことは出来ん!!」 集まった男子を代表するように一人の男子が前に出て声を上げる。 ルイズたちとはマントの色が違う。ガッツは知らないが、ここに集まった生徒たちは皆この学院の最上級生だった。 先程悲鳴を上げた少女は、口上を述べた生徒とはまた別の、男子生徒の胸に顔をうずめて泣いていた。 「ひっく、ひっく……怖かったわシュナイダー」 「もう大丈夫だマリベル! この僕が来たからには!!」 勝手にやってろ。ガッツはもはや呆れていた。何故肩に手を置いただけでこんな扱いをされにゃならんのか。本当に貴族ってやつは―――厄介極まりない。 事情の説明をしても無駄だろう。この様子ではこちらの言い分に聞く耳を持つ者がいるとは思えない。 「いや、俺は―――」 「黙れ! 悪魔の言葉など聞く耳もたん!!」 ほらな―――ガッツはため息をついた。 どうしたものか。ガッツは思案する。ぼけっとしている間にすでに前後を挟まれてしまった。 ざっと見て、前に14,5人。後ろにも15,6人。狭い廊下にひしめきあっている。 セルピコのように空を飛ぶことが出来れば頭上を飛び越えスタコラサッサといくのだが―――いくらルーンの力を借りようと甲冑を着込んだまま人垣を飛び越える跳躍をするのは無茶な話だった。 背中のドラゴンころしを抜く。何人かの生徒はその剣を目にしただけで怯んでいた。 しかし――― 「恐れることはない!! こんな狭い廊下であんなデカイ大剣を振り回すことなど出来はしないさ!!」 そう、この場所ではドラゴンころしを振ることは出来ない。ドラゴンころしを振り回すにはトリステイン魔法学院の廊下は少々狭すぎた。 ガッツは舌打ちした。 「さあ、悪魔に聖なる鉄槌を!!!!」 その声を合図にガッツに様々な魔法が襲い掛かった。 炎の玉、風の槌、水の槍、土の拳、迫り来るそれらをガッツはかわし続ける。 狭い廊下に二十余りの人数がひしめきあっているため、その全てが戦闘に参加することは出来ない。とはいえ、連続して迫り来る魔法はいつまでもかわしきれるものでは無かった。 ガッツは手を出しあぐねていた。本気を出せば蹴散らすのは容易い。 いくらドラゴンころしを封じられているとはいえ、打つ手はいくらでもある。 ボウガンを始め、炸裂弾、極め付けに左手義手の大砲。 しかしそれらは全て『対使徒用』、すなわち、威力がありすぎるのだ。使えば相手はまだ未成熟な生徒たち、確実に死者が出る。 死者が出れば、もう負の連鎖は止まらない。死者の遺族、友人、恋人による復讐、そしてまた生じる死者、その遺族、友人、恋人―――そんな悪循環はごめんこうむりたかった。 風がガッツの肌を撫でていく。右腕が切り裂かれていた。 ギリ…!! かみ締められたガッツの奥歯が音を鳴らす。 目の前に火球が迫る。咄嗟に左手を顔の前にかざす。鉄の義手に触れた火球は破裂し、炎はむき出しの顔を炙った。 「手も足も出ないようだな黒い悪魔!! 土下座して謝れば許してやらんこともないぞ!?」 リーダー格の生徒が勝ち誇り、声を上げる。 生徒たちの魔法が止んだ。皆一様に勝ち誇り、地に膝をつくガッツを見下ろしている。 ガッツは立ち上がり、ドラゴンころしを構えた。 「まだ懲りないようだな…!! よかろう、徹底的に―――」 「動くな」 ガッツの低い声が廊下に響く。思わず生徒たちは皆動きを止めていた。 「な、何を偉そうに」 ゴッ――――!!!! ドラゴンごろしが壁にぶち当たり、しかし勢いは衰えず剣は石造りの壁に食い込み、火花を上げながら切り裂いていく。 再び壁からその姿を現した鉄塊はそのまま少年の鼻先を掠め、反対側の壁にぶち当たり、ようやくその動きを止めた。 真一文字に切り裂かれた壁から外の光が射しこんでくる。光が廊下に舞う砂埃を照らし上げていた。 パラ―――カツン。砕かれた壁の欠片が床に落ちたその音が、無音の廊下に響いた。 「正義の味方ごっこは終わりだお坊ちゃんたち。これ以上は真っ二つになりたい奴だけかかってくるこったな」 ガッツはドラゴンころしを背中にしまうと悠然と歩き出した。 モーゼが海を割り渡るが如く、ガッツの前に立つ生徒たちは皆端により、その道をあける。 「ば、化け物だ……」 「俺、もうあいつに手をだすのやめるよ……」 ガッツの姿が見えなくなって―――口々にそう呟きながら生徒たちは散っていった。 生徒たちが誰もいなくなったその廊下に、コツコツと、足音が近づいてきた。 ガッツにより作られた真一文字の明かり窓、そこから射す光がその人物の足元を照らし出す。 黒いヒールを履きこなす艶かしい足―――ミス・ロングビルは切り裂かれた、いや、切り砕かれた壁を右手で撫でると、妖しげに、しかし美しく―――笑った。 以上が、ガッツがルイズの部屋に戻るまでに起きた事の顛末である。 それからちょっとしたやり取りを経て、ルイズによるご主人様宣言を受けてから、ガッツは余計なことを言っちまったなと若干後悔していた。 ルイズは既にネグリジェに着替え、寝息を立てている。今日は珍しくパックはまだ眠ってはいなかった。 「で、どうすんの? やるの? 下着の洗濯」 パックがにやにやしながら問いかけてくる。 「やるか。あの侍女…シエスタっつったかな、あいつに頼む」 「そうだよねえ。画的に問題だもんねぇ~~」 パックのニマニマは止まらない。ガッツは無視を決め込むことにした。 と、パックの顔が突然真面目なものに変わった。 「ガッツ……部屋の外、何かいる」 「……」 ゆっくり、物音を立てぬよう立ち上がる。また貴族の坊ちゃんの類だろうか。 だとすればまた面倒くさい話だが――― 「いや、この気配は人じゃないよ。悪い意志も感じないなあ」 パックがその考えを否定する。人ではない、という部分にきな臭いものを感じたが、烙印には何の反応もない。万が一にも使徒だということは無さそうだ。 だとすれば誰か生徒の使い魔、ということだろうか。 どっちにしろ、このままではにっちもさっちもいかない。 ガッツはドアを開ける決断をした。 ルイズを起こしてはまた面倒なことになる。ガッツは出来るだけ物音を立てないようドアを開けた。 ドアを開けた途端襲われる、といった事態になることは無かった。ガッツはそのまま廊下へと足を踏み出す。 灯りが消されて真っ暗なはずの廊下が煌々と赤い光で照らされている。その理由はすぐにわかった。 「きゅるきゅる」 廊下に巨大なトカゲがいた。色は真っ赤で、尻尾の先が燃え盛っている。こちらを見てきゅるきゅると人懐っこそうな声をあげていた。 「フレイムだ。キュルケっていう姉ちゃんの使い魔だよ」 パックがガッツに説明した。なるほど、言われてみれば見覚えがある。確かに、この生き物はいつも赤毛の女の傍にいたはずだ。 そんなやつが廊下にいて、さらにこちらを見つめてくるのはどうしたわけなのだろう。 わけもわからず様子を伺っていると、隣の部屋のドアが開けっ放しだということに気がついた。 「きゅるきゅる」 そしてフレイムはいつの間にかガッツのマントの裾を咥えている。そのままくいくいと引っ張り出した。 「おいおい」 「いいじゃん、ついていってみようよ」 そのままフレイムに後に従ってついていくと、開けっ放しだった隣の部屋に通された。 ガッツが部屋に足を踏み入れると同時にドアが閉じられる。 パックはまだ入室していない。扉の向こうから何やらパックが喚いているのが聞こえた。 「ごめんなさいね。妖精さんに用はないの」 部屋の奥から声がするのと同時に蝋燭に火がつき始め、真っ暗だった部屋が仄かに照らされる。 部屋の奥、ベッドの上に下着だけを身に着けたキュルケが悩ましげに寝そべっていた。 キュルケの豊満な胸は黒い下着に押さえつけられ、はち切れんばかりである。 キュルケの褐色の肌を蝋燭の炎が照らし、扇情的な光景を作り出していた。 「…で、何の用だ?」 なんとなく察しは付きながらも、ガッツは一応問う。 キュルケの目が恥ずかしげにふせられた。 「あなたはあたしをはしたない女だと思うでしょうね……」 ガッツは無言でそれに応えた。 「でもしょうがないの…紹介したでしょ? あたしの二つ名は『微熱』。あたしの体はすぐに燃え上がってしまう……でも、誰でもいいってわけじゃないの! あたし、あなたに恋してる! あなたには他の男には無いセクシーさがあるわ!」 熱っぽくキュルケは語る。動こうとしないガッツに業を煮やしたのか、ベッドから立ち上がるとガッツに歩み寄った。 そのままガッツに胸を押し付ける。甲冑に押しつぶされた胸はぐにゃりと柔らかくその形を変えていた。 その頃パックはというと――― 「エマージェンシー! エマージェンシー!! 現在隣の部屋でエロエロな事態が展開されております!! ルイズ、ウェイクアーーーップ!! 現在隣の部屋でキュルケ×ガッツちょめちょめ中ぅ~~~!!!!」 なんてことを叫びながらルイズの部屋を飛び回っていた。 「むにゃ、うぅるさぁ~い……もう、何騒いでんのよ~~」 しばらくそんな様子でむにゃむにゃ言っていたルイズだが、パックの言葉の意味が染み込むにつれて、その顔を憤怒で赤く染めていく。 ぶわぁ!! と体にかけていた毛布を剥がすとネグリジェ姿であることも気にせず廊下に飛び出した。 そのままの勢いでキュルケの部屋のドアを蹴破る。 「どりゃあ~~~!!」 ドーン!!とドアを蹴破り、部屋の中に飛び込んだルイズはその光景を見て固まった。 ガッツはキュルケの肩を掴み、その体を離そうとしていた。 しかし、それは見ようによってはガッツが下着姿のキュルケを抱き寄せているようにも見えるわけで。 「な、なななな、なにしてんのよあんたたちぃ~~~~!!!!!!!」 ルイズはネグリジェ姿のままブンブンと鞭を振り回し始めた。 当然そんな姿で激しく動けばちらちらとけしからんものが覗くのだが、ルイズはそんなことを気にする余裕など失っていた。 「きゃあ! ちょ、ちょっとこらルイズ! 落ち着きなさいよあんたってば!!」 「うぅるさいうるさぁ~い!!!! こ、この泥棒猫ぉ~~!!!!」 ルイズの勢いは止まらない。ルイズの振り回した鞭は空中で爆笑していたパックを叩き落とし、キュルケにもその矛先を向けた。 「ちょっとヴァリエール、乙女の肌に傷をつける気ぃ!?」 キュルケはぐっ、と目を閉じた。だが、いつまでたっても痛みは訪れない。 ガッツがガシ、とルイズの右手を捕まえてそのまま部屋から引きずり出していた。 「離しなさいガッツ!! くおら!! 離せえぇ~~~!!」 ルイズのわめきを完全に無視して、ガッツはルイズを引きずったまま、部屋へと消えていった。 「ガッツ……あたしをかばってくれたのね……!!」 キュルケは一人、残された部屋で勝手に感動していた。 パックはキュルケの部屋でのびたまま取り残された。 キュルケの部屋の窓の外で動く影があった。六人の男がレビテーションの魔法で体を浮かべ、唖然と部屋の中の様子を眺めている。 「キュルケが待ち合わせの場所に来ないから様子を見に来てみれば……」 「黒い悪魔…! 既に我らがキュルケをたぶらかしていたか!!」 男たちは悔しそうに唇をかみ締めている。中には涙を流している者までいた。 「あぁ僕のキュルケが…僕のキュルケがあぁ~~!!!!」 「あの様子では既にヴァリエールも……!! おのれ! おのれおのれおのれィ!!!!」 男たちの悔し涙はその夜、枯れることはなかったという。 部屋に戻ったガッツはルイズからヴァリエールとツェルプトーのどろどろな因縁を散々聞かされていた。 太陽が未だ昇らぬ深夜。いっそ眠りたいと思ったのは初めてかもしれないと、ガッツは思った。 翌朝、ガッツはルイズに言われたとおり、日が昇りずいぶん経ってからも未だ幸せそうに寝息を立てるご主人様を起こしにかかった。 「むにゃ、う~んなによぉ~~……もうあとごふん…むにゃ」 構わずガッツはシーツ(下に敷いてるほう)を引っ張った。ごろんと音を立ててルイズは壁とベッドの間に落ちる。 「な、何!? 何ごと!? ここどこ!?」 わずか30cm程の隙間に器用に落ちたルイズはしばらく状況を把握出来ず、何やら喚いていた。 ガッツがルイズのネグリジェの後ろ襟を掴み、引っ張りあげる。にゃーんってな感じでルイズはベッドの上に舞い戻った。 「お、起こすにしてもやり方ってあるでしょ!?」 「人に起こせっつっといて起きねえのが悪い。水を汲んでくるぜ」 ガッツはさっさと部屋を出て行った。 「く、負けないわよ…! 絶対私を主人だと心の底から認めさせてやるんだから……!!」 もそもそとガッツが出て行った隙に服を着替えながら、ルイズは呟いた。 ガッツが水を汲みに井戸へ向かうと、そこには見覚えのある人物がいた。かつてここで出会った時と同様に、洗濯をしている。 シエスタだった。 「よう」 ガッツは井戸の水を汲み上げながらシエスタに声をかけた。 「ガ、ガッツさん!!」 シエスタはよほどびっくりしたのか目を大きく見開いて声を上げた。 そのままガッツを見上げて固まっていたかと思うと、気まずそうに目をふせてもじもじし始めた。 「?」 ガッツはその様子を妙に思いながらも井戸から水を汲み上げる。 水はルイズが顔を洗うためのものだ。桶一杯あれば事足りる。 汲み上げた水を持ってきた桶に移す。その作業はすぐに済み、ガッツは部屋に戻ろうとした。 「あ、あの! ガッツさん!!」 立ち去ろうとしたガッツにシエスタから声がかけられる。 ガッツは振り向いた。 「あ、あの、決闘の時、逃げ出しちゃってごめんなさい……私が原因であんなことになっちゃったっていうのに……」 何か様子がおかしいと思ったら、そんなことか。ガッツは思った。 実際ガッツはそんなこと全然気にしてなどいない。 「決闘になったのは俺が余計なことを言っちまったせいらしいからな。お前が悪いわけじゃねえ。気にすんな」 「は、はい……あ、あの時は私なんかのためにありがとうございました!!」 「おう」 ガッツはそう言って歩みだそうとする。シエスタは続けて声をかけた。 「これからもよかったら厨房に寄って下さい!! マルトーさんも喜びます!!」 「ああ、腹が減ったらまた寄らせてもらう」 「そ、それとガッツさん……」 「……?」 シエスタは急に声のトーンを落とした。怪訝に思い、ガッツがシエスタの顔を見ていると――― 「ミス・ヴァリエールとミス・ツェルプトーに二股かけてるってホントですか!!?」 そんなことをのたまった。 これにはさすがのガッツもずっこけそうになった。 「待て。何でそんな話になってる」 「学院中で噂になってるんです…『黒い悪魔』が二人に手を出して痴情のもつれからミス・ヴァリエールがミス・ツェルプトーに凶刃を振るったって……」 勘弁してくれ。何の呪いだこれは。烙印の新たな効力か? ガッツは頭を抱えた。 それからシエスタの誤解を解くのに時間がかかり、部屋に戻ってからルイズに叱責された。 「…? 何よ、人の顔じっと見て」 この癇癪少女が噂のことを知ったらどうなるか―――ガッツはどんどん面倒くさくなってきている周囲の状況に、また思わず眉間を押さえていた。 前ページ次ページベルセルク・ゼロ
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※編集合戦になるのを防ぐため、掲示板にて検討後掲載する形式を取っています。オススメ装備を追加・編集したい方は、掲示板のオススメ武器検討スレで提案後編集をお願いします。 各武器から4種以内で、有用な生産武器をピックアップして掲載しています。 掲載しているもの以外にも強力な武器は多いので、各武器ページや、有志によって作成された外部の各武器wikiなどを参照したり、実際に使ってみる事で自分にあった武器をみつけるのが望ましいでしょう。 オススメ武器/G級テンプレート 大剣 太刀 片手剣 双剣 ハンマー 狩猟笛 ランス ガンランス スラッシュアックス 操虫棍 チャージアックス ライトボウガン ヘビィボウガン 弓 オススメ武器/G級 テンプレート 武器名(レア素材が含まれる場合は武器名の前に☆を付ける) 作成:集会所★O レア素材:素材名*個数 攻撃力000 属性00 特攻00 音色♪♪♪(色色色) 砲撃Lv0 OOビン 防御+00 会心率00% スロット0 斬れ味 色00(色00) ※斬れ味は長さを匠発動前と括弧内に発動後を表記 リロード速度 OO 反動 OO ブレ OO 速射 LV0 ○○弾(0)/O しゃがみ撃ち LV0 ○○弾(00) 溜め1 溜め2 溜め3 (溜め4) 曲射 OO ビン 強 毒 麻 睡 接 ペ 減 ○○ビン強化 理由:~簡潔に(2~3行以内) 大剣 エクセルブレイズ 作成:集会所G★1 攻撃力1104 (火400) 防御+35 会心率10% スロット3 斬れ味 青40(白30)? 理由:G級昇格直後に採取素材だけで作成できる大剣。 高めの攻撃力、スロット3、防御力+35とG級序盤の攻略用としては十分な性能を持つ。 G級に挙がって上位武器の攻撃力では心もとないと思うのならばぜひ作っておきたい。 ☆ブリュンヒルデ 作成:集会所G★1 レア素材:大竜玉*1 攻撃力1296 毒450 会心率10% スロット2 斬れ味 白30(紫20)? 理由:リオレイア亜種と上位リオレウス亜種の素材から作成できる毒大剣。 ブラッシュデイム改から強化、この時点でエクセルブレイズを上回る。 高い攻撃力と斬れ味に加えておまけで毒もつく、スロットも2つと使いやすい。 ☆角王剣アーティラート 作成:集会所G★2 レア素材:大地を穿つ剛角*1、大竜玉*1 攻撃力1536 会心率-20% スロット1 斬れ味 青10(紫20)? 理由:全大剣中最高クラスの物理攻撃力を誇る大剣。 ただし運用には斬れ味レベル+1が必須。抜刀術【技】もあると良い。 レア素材であるディアブロスの角も大剣なら集めやすいので是非作っておきたい一本。 太刀 雪一文字 作成:集会所G★1 攻撃力726 氷380 会心率10% スロット3 斬れ味 白10(白60) 理由:作成時期が早く、G★1~2に登場する多くの氷属性弱点モンスターに担ぐことができる唯一の氷属性太刀。 運用には匠がほぼ必須となるものの、そこそこ高い攻撃力と属性値に加えてスロットを3つ持ち、使い勝手が良い。 G★2で雪一文字【銀世界】に強化でき、最終強化も含めて一切レア素材を要求されない作成難度の低さもポイント。 ☆パラジグドエッジ 作成:集会所G★2 レア素材:身も凍るクチバシ*2、大竜玉*1 攻撃力825 麻痺360 防御+20 会心率0% スロット3 斬れ味 白20(紫10) 理由:上位オススメ武器のパラコイルドサーベルから、G★1でパラコイルドエッジに、G★2でこの武器に強化できる。 汎用性の高い麻痺に加え、スロット3、防御+20が付いてくる。匠で紫ゲージがわずかながらも現れる。 ただし、匠が無いと短い白ゲージしかないので、運用には匠が必須。 ☆真・狼牙刀【寂滅】 作成:集会所G★3 レア素材:獄狼竜の天玉*1 攻撃力858 龍410 会心率0% スロット2 斬れ味 白30(紫30) 理由:攻撃力・属性値・スロット数・切れ味が高い水準でまとまった龍属性太刀。 G★3にはキークエストや古文書に古龍種が数多く登場するため、是非とも作っておきたい一振り。 イビルジョー素材はG★2時点でも探索で入手可能だが、クエストが登場するのはG★3昇格直後から。 ☆ダオラ=ストーム 作成:集会所G★3 レア素材:古龍の大宝玉*1 攻撃力891 氷530 会心率0% スロット2 斬れ味:白30(白20紫30) 理由:クシャルダオラの素材から作成できる太刀。 高い攻撃力と氷属性値を両立しており、スロットも2つ備えている。 作成時期の都合上、大老殿攻略の役には立たないが、氷属性弱点のモンスターが多数存在するギルドクエストで活躍できる。 片手剣 デッドリィポイズン 作成:集会所G★1 攻撃力322 毒280 会心率0% スロット3 斬れ味 白長(紫40) 理由:ドスイーオスの上位武器ハイドラバイトを強化して作成。レア素材一切不要で極めてお手軽。 攻撃力322はG★1最初期で作れる片手剣としては非常に高く、 汎用性の高い毒属性、超長い白ゲージに匠で短いながら紫ゲージ、極めつけのスロット3つと超優秀。 G☆3緊急くらいまではこの武器1本で何の問題もなく突っ走れるだろう。 ☆正統十字ペリスケリス 作成:集会所G★2 レア素材:濃縮重甲エキス*1 攻撃力392 水260 防御+50 会心率0% スロット1 斬れ味 白10?(紫20?) 理由:両聖十字グラディアトからの3段階強化により作成。 G★1でアルセルタス亜種と採取素材。G★2でゲネル・セルタスの原種と亜種の素材で最終強化まで可能。 その攻撃力は同時期の片手剣では破格の威力392。斬れ味ゲージも匠発動により紫が現れ、火力に関しては申し分無し。 下位武器の星紋の剣盾から地道に強化しないといけないのが最大の難点であるが、その苦労がG★2・G★3で報われるのは間違いない。 なお、レア素材の濃縮重甲エキスは上位素材なので、G級レア素材の特濃重甲エキスよりはかなり入手しやすい。 ☆狼牙剣【欲獄】 作成:集会所G★3 レア素材:獄狼竜の天玉*1 攻撃力378 龍430 会心率0% スロット0 斬れ味 白80(白130) 理由:G★2ジンオウガ亜種とG★3昇格緊急のゴア・マガラ特殊個体の素材で作成可能であり、G★3昇格直後に作成できる。 紫ゲージが現れないのが欠点だが、それでも攻撃力・龍属性値が共に高いレベルで両立している。 さらに、素の白ゲージがかなり長いため匠を外すことが出来るのが大きなメリットである。 G★3に控える古龍種モンスターへの対抗武器として役立ってくれるだろう。 双剣 ☆アイルー卿メラルー卿 作成:集会所G★1 レア素材:強力麻痺袋*6 攻撃力280 麻痺280 会心率0% スロット3 斬れ味 青(白) 理由:G★1で容易に作成できる、かつ双剣としてはスロット3で破格の麻痺値280を持つ。 4Gでは乱舞等の多段攻撃も1ヒットごとに麻痺蓄積を判定しているため、この双剣は麻痺蓄積効率がとてつもなく高い。 麻痺耐性の低いボスモンスターなら殆どハメに近い状態での持続攻撃も可能で、パーティプレイで真価を発揮しやすい。 ただし斬れ味や攻撃力は控えめなため、G★2以降は火力不足に陥ってしまい、ソロ向きとは言えずサポート寄りの武器。 ☆大旋破クロスヴェルト 作成:集会所G★2 レア素材:特濃重甲エキス*1 攻撃力378 水300 防御+20 会心率0% スロット2 斬れ味 白(紫短) 理由:G2は水が弱点のモンスターが多いためオススメ。レア素材の特濃重甲エキスが必要となる点がネックだが、 その1つ手前の大旋破クロスヴェルトまではレア素材が不要であり、通常のG級クエストで容易に素材が集められる。 その大旋破クロスヴェルトも性能は十分であるため、攻略には問題ない。 さらにその1つ手前の旋破クロスドリルは、テツカブラとアルセルタス亜種の素材がメインであり、G級昇格直後に容易に作成できる。 ☆炎焔刀イグナトル 作成:集会所G★2 レア素材:黒鎧竜の天殻*1 攻撃力336 火380 会心率0% スロット2 斬れ味:白30(白20紫30) 理由:素材交換によるアグナコトル素材で作成し、最終強化には黒グラビ素材が必要な火双剣。 強化前のノワルイグニスはG★1で作成できてレア素材も不要。 緊急ゴア・マガラやG★3キーのオオナズチ、ウカムルバス、G級完全開放のゴクマジオスと多岐にわたり活躍できる。 ☆漠喰いキロネクス 作成:集会所G★2 レア素材:大地を穿つ剛角*1 攻撃力392 麻痺150 会心率0% スロット1 斬れ味:白(紫20) 理由:レア素材である「大地を穿つ剛角」の入手難度が下がった為、作成難度は割と低め。 同じ麻痺双剣である「アイルー卿メラルー卿」に属性値で負けるがこちらは攻撃力で勝っている。 低めの属性値は手数である程度補えるため状態異常+のスキルを付けての運用よりも、真打や挑戦者などの火力スキル盛りでの運用がいいだろう。 ハンマー ☆氷鉄ハバク 作成:集会所G★1 (イベントクエスト利用) レア素材:ピュアクリスタル*2~3(前段階のコキュートス改) 攻撃力1352 氷280 会心率0% スロット3 斬れ味 白20(白70) 理由:ほとんどの素材を採取で集めて作ることができる高攻撃力のハンマー。 メランジェ鉱石はイベントクエストで旧砂漠 夜 に行くことで採掘できる。 匠無しでは白ゲージは短めだがスロットは多く、属性を考えずとも物理攻撃力で十分押せるため汎用性は高い。 狩猟笛 ☆パラハザードコール改 作成:集会所G★1 レア素材:大竜玉*1(生産)、身も凍るクチバシ*1(強化) 攻撃力1248 麻痺240 会心率0% スロット1 斬れ味 白20(白70)? 理由:攻撃力強化【大】と聴覚保護の旋律を持ち、さらに汎用性のある麻痺属性も備える。 ソロ、PT問わず活躍でき、G★2でも十分使っていける一本。 一発生産だと大竜玉、強化だと身も凍るクチバシを1つ要求されることには注意。 ランス 黒狼軍のホウテンゲキ 作成:集会所G★2 (イベントクエスト利用で集会所G★1) 攻撃力575 毒500 会心率30% スロット3 斬れ味 白60(紫20) 理由:会心を含めた高い物理火力と毒500と言う脅威の毒属性値を持ち、スロ3による高いスキル拡張性まで持つ。 問題はバサルがギルクエ限定モンスターな事とガルルガの尻尾・靭尾ともに大量に必要な事。 強化前のホウテンゲキ【厄】は地獄耳以外はG級バサル素材のため作りやすく、攻略用武器としての性能も十分。 G★1で黒狼軍に強化するにはイベントクエスト「ハンター日誌 鳥竜種の回」を利用すれば良い。 ☆アスクレピオス 作成:集会所G★2 レア素材:身も凍るクチバシ*1、大竜玉*1 攻撃力644 麻痺270 防御+25 会心率-10% スロット1 斬れ味 白40(紫20) 理由:攻撃力と斬れ味が高く、防御力も上がる麻痺槍。作成時期は少し遅いが、強化前のパラジャイロスピアも十分実用に耐える。 麻痺はランスと比較的相性のいい状態異常で、PTでのサポートや特定部位破壊用に役立つ。 欠点は下位から順番に強化する必要があること。G級までガララ槍を作成してこなかった場合、作りやすいチャルルク・アドクも検討すると良い。 海流槍エスメラルダ 作成:集会所G★2 攻撃力575 水430 会心率0% スロット2 斬れ味:白30(紫30) 理由:高い水属性値と汎用性が高めの武器スロ2に匠紫30のため非常に扱いやすい水ランス。 G★2の敵には水属性弱点が多いため、有効な攻略用武器。 ネックはG★1のザボア2頭をクリアしてガノス亜種が出現するように拡張しなければならない事と バサルモス亜種、イャンガルルガの素材が必要な事。 後者はイベントクエストで緩和可能だが、環境がない場合ギルクエ限定モンスターとなる。 ☆THEパラディン 作成:集会所G★3 レア素材:黒蝕竜の天鱗*1、天廻龍の天鱗*1 攻撃力575 龍560 会心率45% スロット1 斬れ味 白70(紫40) 理由:ゴア・マガラ、シャガルマガラの素材から作る龍属性ランス。 十分な斬れ味と高い龍属性値、非常に高い会心率を持ち、会心期待値込みの物理攻撃力は約639となる。 欠点は天鱗が2種必要で作成難度が高いこと。ゴアは通常出現クエストがないため、イベントクエストを利用するといい。 ガンランス ウルクスラヴィーネ 作成:集会所G★1 攻撃力483 氷430 拡散Lv3 会心率0% スロット3 斬れ味 青(白) 理由:制作難易度が低くレア素材を特に必要とせず、スロット3でスキルの自由度も高い。 ガララアジャラ原種/亜種を狩る事でウルクスアヴァランガに強化すれば、拡散Lv4の火力へ上がるのも大きい。 砲撃主体の立ち回りが利点なので、斬れ味+1や業物スキルでゲージを維持するスキル構成をセットにすると尚良い。 ただし、G★3ともなれば力不足が否めないので、ダオラ=テンペスタ等の他ガンスに任せた方が良いだろう。 デオス・オシリス 作成:集会所G★3 攻撃力529 龍760 放射Lv4 会心率0% スロット3 斬れ味 白(白) 理由:凄く風化した銃槍を強化して制作できるガンランス。龍760という圧倒的な属性値が魅力。 オベリスクからの強化に太古龍骨が必要なためG級古龍種を狩る必要があるが、この高い龍属性値は古龍の多いG★3では非常に役立つ。 スロットが3つも開いている為龍属性攻撃強化などのスキルも追加しやすく、また砲術スキルを発動させれば戦闘街における古龍戦においても活躍できる。 攻撃力はG級最終強化にしては低く、斬れ味も白どまりなため龍属性が有効でない相手には無用の長物になる為注意。 スラッシュアックス ジェネラルアーム 作成:集会所G★1 攻撃力1188 (火420) 強撃ビン 防御力+20 会心率0% スロット2 斬れ味 青40(白40) 理由:採取ツアーで掘れる鉱石素材だけで作れる汎用武器。一発生産も可能。 高い攻撃力と強撃ビンを兼ね備えており、スロットも2つ。防御面も多少はカバーしてくれる。 覚醒で火属性を付けることができ、火属性弱点でG級武器を作れるモンスターは複数いるため、覚醒を発動させるのもアリ。 ☆大虎口ザボアラギ 作成:集会所G★2 レア素材:特濃重甲エキス*1 攻撃力1458 麻痺240 強撃ビン 会心率0% スロット0 斬れ味 白(紫20) 理由:G★2前半、ゲネル亜種までの素材で作成できる、麻痺&強撃ビンの攻撃力に優れた剣斧。 麻痺は比較的幅広いモンスターに有効で、斧モードでも麻痺値を累積できるため 剣ゲージをキープした状態で麻痺させ一気にラッシュを決めることも可能。 ☆ステアライズ=ワンド 作成 集会所G★3 レア素材:古龍の大宝玉*1 攻撃力1458 毒300 強撃ビン 会心率0% スロット3 斬れ味 白(紫40) 理由:状態異常武器としては高めの攻撃力に良質な切れ味を併せ持つ剣斧。 さらに汎用的に使える毒属性に強撃ビン、嬉しいスロ3と隙がない。 下位の蛮族の剣斧から強化するか、猛者の戦斧を生産(要 幻鳥竜玉)する必要があるが、その手間に見合った一本である。 操虫棍 リーパーズストローク 作成:集会所G★2 攻撃力713 毒400 会心率20% スロット1 斬れ味 紫20 理由:毒属性武器なので、相手を選ばず運用出来る。 レア素材無しで作りやすく作成難易度は低い。 しかも斬れ味レベル+1は不要なので繋ぎの武器としては十分な性能を持つ。 猟虫も最終形態のものを扱うことができるため、猟虫飛ばしの使い勝手も格段に向上する。 ☆アヌビス 作成:集会所G★2 レア素材:大地を穿つ剛角*1 攻撃力961 (龍180) 会心率-10% スロット2 斬れ味 白(紫20) 理由:G★2時点で作成可能な最高クラスの物理攻撃力を誇る操虫棍。 ただし運用には斬れ味レベル+1は必須。できれば業物も欲しい。 イビルジョーの素材が面倒だが、レア素材はあまり要求されないので作成難易度は高くない。 覚醒を付けても属性値は180なので、覚醒を付けるよりは他の火力スキルを付けたほうがいい。 チャージアックス シュヴァルツスクード 作成:集会所G★2 攻撃力936 (麻痺240) 榴弾ビン 防御+35 会心率0% スロット3 斬れ味 白(紫10) 理由:G★1最序盤で活躍するブラックフルガード改から、ネルスキュラ亜種の素材と鉱石にてG★2の早い段階で強化できる。 イベクエを駆使すればG★1でも何とか作成可能。 十分な攻撃力を持ち、覚醒すると麻痺武器としても運用できる性能でG★3・最終装備までの繋ぎとして十分すぎる一本。 ただし、覚醒の発動はG★2の段階では負担が大きいため、装備と相談してデザートローズと使い分けよう。 ライトボウガン 流弩ガノシュトローム 作成:集会所G★2 攻撃力351 防御+42 会心率0% スロット1 リロード速度 やや速い 反動 やや小 ブレ 無し 速射 水冷弾[3]小、Lv1麻痺弾[2]大、Lv2睡眠弾[2]大 理由:水冷弾の他に状態異常2種が速射でき、取れる戦法が多い。 装填数は少ないものの、貫通弾・散弾の全レベルに対応しており、反動もやや小なので無反動で撃てる。 ロアルフラッドからの強化で制作可能。強化段階は多いが部位破壊限定などの素材は一切使用しない。 最終強化に必要なガノトトス亜種はG★1『高難度:化け鮫達、釣場に参上』をクリアすると漁獲マシーンで出現するようになる。 ☆蒼火竜炎舞砲【忌火】 作成:集会所G★2 レア素材:黒鎧竜の天殻*1 攻撃力390 会心率0% スロット1 リロード速度 普通 反動 中 ブレ 無し 速射 LV2通常弾(4,小)、LV1徹甲榴弾(3,中)、火炎弾(3,小) 理由:今作では徹甲榴弾+砲術スキルの優位性こそ薄れたが、ソロ用としては有用なライトボウガン。 ただし、通常弾速射数が3から4に上がってしまったお陰で、硬直時間が地味に増えてしまった点には注意が必要。 強化前の蒼火竜炎舞砲はレアアイテムを必要とせずにG★1で作成可能なので、G★1序盤から活用出来るだろう。 ヘビィボウガン 炎戈砲アグナコルピオ 作成:集会所G★2 攻撃力450 防御+20 会心率0% スロット1 リロード速度 遅い 反動 やや小 ブレ 無し しゃがみ撃ち LV1貫通弾(20)+2 LV2通常弾(30)+3 LV3徹甲弾(9)+0 火炎弾(20)+1 理由:素材交換で作成可能なアグナコトルのボウガン、上位から強化していく必要あり。 反動やや小のため反動軽減スキルなしで貫通弾運用可能。通常貫通共に装填数は多く、攻撃力も高い。 同時期に作成可能な防具のハプルXシリーズで装填速度を補えるため、併せてオススメしたい。 弓 ☆クォーツライト 作成:集会所G★1 レア素材:大竜玉*1(生産のみ) 攻撃力312 会心0% スロット3 溜め1 拡散3 溜め2 拡散4 溜め3 連射4 (溜め4 連射4) 曲射 爆裂 ビン 強 毒 麻 ペ 麻痺ビン強化 理由:G★1で作れる連射弓としては不満のない攻撃力で、スロ3、麻痺ビン強化もありがたい。 上位ザポア弓からの強化ならザポア亜種素材のみで、大竜玉が不要。 一発生産もザポア亜種素材+大竜玉のみと容易なため、ザポア弓を持っていない場合も問題ない。 さらにG★2でゲネル亜種を倒せばクリスタルルードへと強化でき、G★3はこれ1つで済む程度には強い。
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End of the Game -今生層・狂気伐剣ベルセルク- 狂招来<ゴウショウライ>。 ただ、その7文字だったはずだ。一秒に足りぬか足りるかで綴れる言葉の音だ。 情けない命乞いでさえもう少し長いだろう。 なのに、アルベイン達は止まった。女を貪るように血肉を欲し続けるあの残骸たちが、止められている。 散乱しながら凝縮する十の眼球が見つめるその先には、一人の剣士。 既にその吐息は虫以下で、立ち上がるのもやっとの有様だ。 一太刀浴びせれば、吹けば飛ぶように朽ちるだろう。その程度の存在だとは既に見切っている。 だが彼らは動けなかった。何故という問いに答えられるほど、ハッキリとした理由はない。 ただ、動けなかった。彼は我らより劣っていると云うのに。 ただ、足が重かった。我らは彼よりも純粋であると云うのに。 ただ、喉が渇いた。彼は誰よりも弱いと云うのに。 ただ、眼が離せなかった――――――――彼の持つ剣が、あまりにも妖し過ぎたが故に。 「ハ、ハハハっ! 丸腰に何が出来るっていうんだ? 雑魚は大人しく解体けてろよッ!」 アルベインの内の一振りが、周囲にまどろむ気配を振りほどくかのように嘲笑する。 そう、瞼を閉じて再び開けば何のことはない。眼前の剣士はまだその背中の剣に触れてさえいないのだ。 だから剣を抜くことは出来ない。そして今から抜くというのなら、その前にバラバラにしてしまえばいい。 そう考えたか一振りは剣先をジャリジャリと地面に掠らせながら剣士へと斬りかかる。 対する剣士は一歩も動かない。襤褸のまま佇むその姿は、断頭台の死刑囚の如く静謐だ。 だが、分かる。まだ動けない4振りにも、動かされた1振りにも否応なく矛盾を確信できた。 “剣は既に抜かれているのだと”。 だがクレスの空手は未だ何も掴まず、関節を揺らしている。ならば何を抜いたと云うのだろうか。 剣士に恐ろしさは微塵もなく、ただ、その不可視の剣が怖ろしい。 その答えを知ろうとするかのように、アルベインは剣を逆風に振り上げる。 自分を包むその気配を振り斬るかのように――――――― 「虎牙――――「集気“砲”<しゅうきほう>」 その瞬間だった。アルベインの振り上げようとした剣がガクンと落ちる。 自分の剣に起こった異常に釣られて視線が剣の柄へと泳ぐ。 そこには握るべき剣を握らず、剣士の掌を重ねた手首があった。 「ガ…ッ!? しゅ、集気法が、何で…ッ!?」 剣に加速が乗る直前の一瞬に重ねられた掌打が、虎牙破斬の出かかりを完全に殺した。 何千何万と技を鍛え、全てを知り尽くしたものにしか理解できないその刹那を寸分違わず狙い撃つ剣士。 しかも、アルベインを止めたそれは剣ではなく拳だった。 攻撃技でさえない集気法が何故この手首の奥から発するような痛みを生み出すのか。 自らが丸腰になったことにさえ気付けない程動揺したアルベインがその疑問を洩らそうとするが、 ずい、と眼前に立ったクレスの存在に息さえ出来なくなる。剣を持たぬ剣士が剣の間合いでどうなるかなど決まっている。 だがクレスはそうはしなかった。ふわりと、アルベインの血に固まったの髪に手を乗せる。 それはさながら、親が息子の頭を撫でるかのようだった。 渾身の決意を以て親に反逆の意思を見せた息子の勇敢さを讃え、その成長ぶりに報いるかのように優しい手のひらだった。 「獅子――――― 「まさか、回復技で剄を――――――」 だが親に歯向かった“しつけ”は不可欠だ。頭上に集う気配に、アルベインは怖れ慄く。 大気中の『気』を『集』めて体内の治癒力を促進させる集気法。 だが、今アルベインの頭上に集まっているのは大気ではない。 もっとどす黒く、内側より湧き出でて鈍く光る粘液だ。 ―――――戦吼」 ゴヌギャァ。 擂り潰したような、圧し砕いたような、噛み切ったような不細工な音が響く。 その集めた殺気を、制限にかかる治癒に使わなかったら。損傷個所ではない、例えば拳に集めればどうなるか。 例えば体内に湧きあがった獣の闘気を、足の爪先から掌に集めたならば。 体内で加速された気を、頭上から一気に下方へ叩き込まれたならば。 本来ならば横に吹き飛ばされるだけのはずの力で、逃げ場無き大地と共に挟まれたなら。 少なくとも身長は10センチ縮み、首のあった場所から白い骨が肉を裂いて現れるらしい。 クレスが手を頭からそっと離すと、頸椎が陥没した残骸は糸が切れたように折れて倒れた。 その様を見て残りの4人はゴクリと唾を飲み込む。 彼らはアルベインであるが故に、その技が何かを過つことなく理解していた。 獅子戦吼。突進から繰り出される獅子の闘気が鎧の上から、楯の前から、防御の奥へと敵を弾き飛ばす“徹甲”の特技。 それは最早自分たちの与り知る獅子戦吼ではなかった。 本来の技ならばあるはずの、十分に加速距離を確保された上での突進モーションは無く、 叩きつけるはずの掌は相手の頭を優しく撫でており、ましてや相手を喰らう獅子の気も存在しない。 何処をどう見比べても獅子戦吼ではない異技。だが、彼らはアルベインだからこそその技を理解してしまった。 本来なら身体ごと加速されるはずの闘気を集気法と重心移動を用い、体内で加速させたのだ。 足の爪先から指先まで約2メートルもある発射口を経て繰り出されるそれは零距離にして無拍子。 確かにそれは彼らの持つ技ではなかった。放ってから当てて相手の防御を破壊する獅子の咆哮ではなかった。 『当ててから放ち』、相手の防御ごとその大きな顎で“丸呑みする”―――――――人命を破壊する為に完成された技だ。 何故だ。アルベインの内の1本が自問する。 他の3本も恐らくは同意見だっただろう。なぜなら彼らは皆等しく『剣』であったからだ。 眼の前の虫けらが“捨てられなかったモノ”を棄てて強くなったのが彼らなのだ。 友情、慈愛、正義etcetc。クレス=アルベインが抱えていた不合理・不純物の一切合財を排して彼らは存在している。 剣を鈍らせる不要なアプリを全て削除して、剣としての機能を極限まで特化させたからこそ彼らはここまで強いのだ。 ならば、何故。何故俺達が圧し折れている? 何故剣も抜いていない剣士に陥没した頭部で地面を舐めさせられている? 何故、俺達があんな出来そこないの初期ロットに攻め込むのを躊躇している? 無手のまま立ち尽くすボロボロのクレスを見ても、筋肉をごっそり抉られた自分の腕は剣を抜きに行かない。 潰れた瞳に映るのは喉を寸分違わず突き刺す刃と柳の幽霊が如く貧相で虚弱なニンゲン一人だ。 隙だらけの今、百と三十八の刀剣で裁縫の針山にされた他の3本と一斉に攻め込めば血祭りにされてしまうのは必定。 なのに、動けない。腿から下をごっそり輪切りにされたこの両脚は動いてくれない。 見えるのだ。胸骨から切開されて顕わな心臓の心眼が捉えてしまう。 薄らと、剣士の罅割れたその傷の奥に、確かな刀身の輝きとコノセツナニモオレガコロサレタトイフカクシンガ―――――― 「アッ…あっあああああああ!―――ひゃ、しょ、ショウ転移!!」 アルベインの1本が、突然転移する。残り3本がその消え失せた所を凝視するのは、その転移が戦略的戦術的なものではなかったからだ。 だが、遥か中空に現出したとうの一本にさえ何故自分が空間翔転移を発動してしまったのか分かっていなかった。 寒い所で鳥肌と共に震えるかのような反射だった。転移を終えたアルベインは中空で身を震わせる。 失ったはずの右腕の筋肉が在る。切断したはずの足が繋がっている。串刺し刑にされた3本は見下ろせば何一つ欠けること無く存命している。 何より、生きている。生きて、世界を見ることができている。誰しも持つ生ける者の世界。それを死に、殺気に侵蝕されたのだ。 屈辱であった。三欲よりも殺人を希求し、人肉の柔らかさに安らぐ『剣』である自分が、あんなアルベインの出来そこないに“逃げてしまった”。 唯の剣士如きに何たる屈辱。しかし、その屈辱を知ってなお逃げてしまった。 他の三本よりもほんの少し、本当に僅かに早く“あれ”を見てしまったために“逃げた”。 傷ついたクレスの肌、人間の皮の隙間から見えた、僅かな色。 柄を親指で起こした時に覗くほんの少しの刀身の色。血よりァかく、鉄より黒ぃ、腐敗した脂の色。 たった数ミリにも満たぬ刃の色に、殺されかけたのだ。 ダインスレフか羽々斬か安綱か。古今東西の妖刀魔剣を掻き集めたとてあんな刀がある訳が無い。 何なのだ、あの色は。あんな刀がこの世にあるのか。そもそもアレは刀なのか。 転移した今もまだ悪寒が消えない。転移してなお、アルベインは網膜の奥に斬り刻まれたその剣の持ち主が―――――いない。 「飛燕連脚―――――」 見下ろす大地にクレスがいないことと、アルベインの3本が天井―――自分の後ろに視線を集わせていたことと、 背後から響く底冷えする無感動な声を理解したのはほぼ同時だった。 転移したその場所の“先”まで読まれたか、と時空移動に伴う硬直の中でアルベインは息を呑む。 常ならば、翔転移に翔転移で応酬されたならば相手とて硬直の時間は同じなのだから先に硬直から逃れられるこちらの好機だ。 だが、見下ろす大地の異常――――クレスがいた場所に奔る亀裂を見てはそんな甘い夢さえ抱けない。“これは翔転移でさえ無い”。 「う、そガ! 剛しょ、まで、集束なんて――――――」 「剛蹴/集<招>来ッ!」 アルベインは自分の考えが見事的中したことを“打ち込まれた蹴りによって理解した”。 皮下の筋繊維の断裂する感覚が、ただの飛燕の蹴りに尋常ならざる膂力が蓄えられていたことを伝える。 肋骨がドミノのようにバラバラと倒れ折れていく音に、それがアルベイン流の攻性気功術『剛招来』の力であると知る。 だが、折れ曲がったまま捩子こまれて肋が肺に突き刺さる圧力が、それだけではないと教えていた。 本来ならば約30秒、身体全域を強化するはずの剛招来を集気法で“集中”させたのだ。クの字に曲がった背骨がそう言っている。 30秒を3秒にて十倍濃縮して、身体全てから脚部に限定した剛招来。その跳躍力と威力の前には、折れた骨でズタズタにされた体内から逆流して噴血するしかない。 ぐちゃ、と情けない圧迫音を出しながら墜落したアルベインの残骸。 電気信号だけでピクヒクと振動する肉塊の上にふわりと着地して ぶちゃ。 と押し潰して立ち尽くすクレスに、残る全てのアルベインは恐怖を隠さなかった。 血と臓物と脳漿の上に立ちながら微動だにせず、しかしてアルベインの内2本を瞬殺したのだ――――しかも、剣さえ使わずに。 否、剣は抜かれている。この伽藍の天井を超えた先の夜空より暗く、この瓦礫の大地の奥深くの深淵よりも冥い漆黒の刃が。 人間という名前の鞘の奥から覗く刃を見ては、アルベイン達は己の持つ剣の情けなさを否応にも認めざるを得なかった。 殺意を、千人殺してもまだ足りない飽くなき欲求が生み出したアルベインの黒剣。だが、クレスが持つ剣と比べればなんと心許無いことか。 殺意そのものの量は然程変わるまい。だが、その密度があまりにも桁外れている。 自分たちが誇っていた殺意が、薄く、まるで綿のように弱く思えるほどに“あやしい”。 その“あやしさ”に比べれば彼らの鍛えた刃など檜棒同然だ。さながら、クレスとロイドの時空エネルギーを比べるが如く。 その殺意に一本の線が通っているかのような鋼刃は、何よりも真っ直ぐに思えた。 だが、何が違うと云うのだ。クレスを棄てたアルベインとアルベインに成り切れなかったクレス。 性能の優劣は明白。しかし結果は真逆。何故我らでは眼前の存在に“太刀打ちできない”のだ。 <Arts ShortCut:術技ショートカット設定 R+□:アルベインA『次元斬』 R+△:アルベインD『虚空蒼破斬』 R+×:アルベインE『転移蒼破斬』 Registration Completed 術技を登録しました> 背に控えた刃のこともある。ここは折られた二振りの轍を踏むことなく、警戒を密にしてあの殺意の正体を見極めるべきだ、 アルベイン達は慎重な足捌きでクレスの周囲へと散ろうと―――――――――――――――― <Input→R+□・△・×> 「そんなまだるっこしいことが出来るかァァォッッッ!!!」 アルベインが先ほどまでの恐れなど何処吹く風と素知らぬ顔で跳躍する。 「ただの雑魚ッ! 所詮肉片!! 身の程知らずの青二才如きに、俺が負ける訳が無いだろぉッ!!」 委縮し切った刃を少しでも輝かせようとするように、アルベインの周囲に蒼の闘気が奔流する。 「羽虫が! 恐怖して圧し折れろ!! 鳴き吐いて、後悔をぶちまけて、ゴミのようにくたばりやがれェェェ!!!!」 まるで懇願するかのように感情を吐露しながら、アルベインは転移の光に包まれる。 過剰な威嚇とこれ見よがしに醜悪なエネルギーの発動は、まるで死地に赴く前に煽った火酒のよう。 まるで崖っぷちに立たされた場所で無理矢理背中を押され“嫌でも覚悟を決めなければならなくなった”かの如く。 <Input→R+□・▼・×!!> 「次元斬!!」「虚空蒼破斬!!」「転移蒼破斬!!」 震える大太刀が中空より振り下される。 潮騒ぐ蒼の波濤が正面を覆い尽くす。 背後より転現したアルベインが蒼を拡散させる。 前門の波濤、後門の怒濤。中空には断頭台。 あまりにも見事にテンプレートな全方位殲滅連携。 神々の剣術を前にしては如何なクレスといえど集気法と剛招来の徒手空拳、ヒトのワザで凌げるものではない。 クレスは僅かに眼を瞑った。無論それは死を覚悟した諦観では無い。 閉じた瞳で背なの剣を掴み、胸の前に出す。掌に触れるはボロボロの黒衣と刃。 魔王、そして英雄。時を統べた二人の覇者の血を吸いし骸布。そしてそれに包みしは―――――――――時を超える、最強の魔剣。 クレスは自分の手が誰にも分からぬ程細かく、しかし確かに震えていることを自覚していた。 あの時空の刃を捌けるのは、時空の刃しかない。それは承知している。 それでもクレスは躊躇った。幾ら曰くつきの衣とはいえ所詮は唯の襤褸切れ、物理的な意味合いは皆無に等しい。 だが、心は違う。魔王の血によって戒めたその鞘を抜けば“もう引き返せない”。 そしてそれは――――彼女が最後の最後で託してくれた『僕』を諦めることに他ならない。 だが―――――― 「オリジン。契約するよ」 既に、答えは決めている。クレスは迷いを塗り潰す様に瞳を閉じて一切の逡巡無くその名を告げた。 ドクン、と空間が揺れて聖骸布に包まれた魔剣が布の狭間で青に輝く。 それは青く、何処までも青くて、まるで光届かない深い海のように紫で――――――――――――黒かった。 その荒野には何も無かった。 赤黒く焦げた大地は枯渇し、壊死している。 熱の無い白い太陽は凍てついた光を無慈悲に注いでいる。 昼も夜も無い、水も熱も無い、生命など在るはずが無い死の大地。 そこに、クレス=アルベインは立っていた。かつて夢見たあの鉄と死の世界だ。 地平線の果てまで死に絶えた景色を見て、クレスは今になって思う。 世界の第一元素―――――――マナが完全に無くなれば、きっとこういう世界になるのだろう。 『そうだ。マナの無い世界、心が死んだ世界。どちらも、行きつく先はそう変わらない』 そうクレスが思えたのは、その死を比較できる景色を知っていたからだ。 クレスが声がした背中の方を向くと、そこにはかつての景色とは違い、1つの樹があった。 大きく、高く、樹齢何千年を刻んだかも分からない大樹。この黒鉄の世界で唯一見ることの出来た緑だった。 しかしそれは既に若く瑞々しい新緑とは程遠く、人生の半分を終えた人間の肌のようにしわがれていた。 あの日親友と狩りに出かけた森の奥で見た、あの枯れかけた樹のようだ。 だがそれこそがクレス=アルベインという枯野に“遺された”唯一の緑であり、 彼女が全てを尽くしてクレスの為に願い、この死んだ大地に植えた奇跡の結果だった。 「……オリジン」 クレスと大樹の間に立つ三対六腕の偉丈夫は一番内側の腕を組み、クレスを睥睨していた。 世界を司る精霊、それらを統べる統括者。精霊王オリジン。 「まずは、お礼を言わせてください。ありがとう。契約より先に、コレットちゃん達を行かせてくれて」 『状況が状況だったからな。一から穴を作るならともかく、元々あった穴を広げるならば今の魔剣ならば可能だった。 それだけだ……しかし、行き先を確かめなかったのは軽率だったな。あの穴の行き先はあの天上王の下でもこの空間の外側でもないぞ。 あの者、一体何のつもりで彼の場所を選んだのだ……死ぬつもりか……?』 「多分、大丈夫だと思いますよ。何処かは分かりませんが、彼が選んだ場所ならそこは世界で一番安全な場所ですから」 クレスはそう言って胸を擦った。剣を腹に穿たれながらも放たれた、伝説<クレス>を超える永遠。 それを直接喰らったクレスだからこそ確信できる、絶対の安全だった。 『ならば、何故お前も行かなかった。今度こそコレット=ブルーネルを守りたかったのだろう?』 「それはティトレイに任せました。長く付き合った訳じゃないけど……なんとなく、似てるんですよね。だからかな。それに……」 クレスは自分の左手を前に出して、その掌を見つめる。 「もう僕は、戻れませんから」 そう言いながらクレスが思い出したのはコレットを羽交い絞め――というにはあまりにも稚拙だったが――していたあの男の手首を斬った感触だった。 今のクレスの技量を持ってすれば、あの時あの男もコレットも無傷で切り離すことは可能だった。 実際、抜刀するその瞬間までクレスはそうするつもりだったのだ。“だが、そうすることができなかった”。 「僕の手は、もう寸止さえ許してくれない。肉を斬りたくて、骨を斬りたくてたまらなくなってる。 いや、僕の手がなんて言い訳も出来ない―――――――僕が、殺したくてどうしようもないんですよ」 穢れた掌を見つめるクレスの顔は、泣いているようにも嗤っているようにも見えた。 どれだけダジャレで取り繕ろうとも、正道の剣技に固執しようとしても、彼はもうクレスではないのだ。 それを十二分に理解しているのか、オリジンが重たい腰を上げるように言葉を紡ぐ。 『正直な感想を言えば、お前が一番有り得ないと思っていた。 純粋にこの非情な世界を憂いていたロイド=アーヴィングでもなく、 利己に過ぎたとはいえ形だけでも世界を守ろうとしたミトス=ユグドラシルでもなく、真逆お前とはな』 値踏みをするかのように見下して侮蔑するオリジンの言葉を、クレスは唯黙って聞いていた。 ロイドが魔剣を完成させて以降、三重契約の罠に囚われていたとはいえオリジンは魔剣を通じずっとクレスの傍にいたのだから。 『お前の心は完全に死んでいた。少なくとも甦る可能性は完全に潰えていた。 マイティ=コングマンが刻みし呪い。コレット=ブルーネルが囁いた呪い。デミテルが与えた呪い。 別個でありながら複雑に絡み合う呪いに歪んだ英雄譚の中で溺れ死ぬより無かった。そのハズだった』 コングマンはその拳がどれほどクレスという青年の瞳に焼きついたか知らなかった。 コレットは自分がクレスを応援した言葉が、どれほどの意味を持っていたか知らなかった。 デミテルはクレスが既に呪われていたことを知らずに薬物を与えてしまった。 クレスを堕とした3人は、他2つの呪いなぞ理解さえしていなかった。そして当のクレス本人も。 故にクレスを蘇らせる解答は誰も持っていなかった。ハッキリ言って、1ガルド賭けるのも莫迦らしい一番の大穴だ。 だが、ロイド=アーヴィングが一人の少女の為に死に、ミトス=ユグドラシルが世界よりも守るべき、貫くべきモノを見つけて死んだ。 2人とも、オリジンに契約した誓い―――――【守るべき世界】よりも大切なモノの為に死んだ。 そして、今、クレス=アルベインがクレスとしてオリジンの前に立っている。 殺人鬼ではなく、清き乙女が最後に夢見た、かつてオリジンが契約したあのクレスとして。 「クレス=アルベイン。ヒトを棄てて、剣になろうとしたその成れの果てよ。 今こそ約束を果たそう。お前は何の為にその力を得た?」 オリジンが問う。決して特別な重みは持たず、しかし精霊の王たる威厳を持った問いだった。 クレスは眼の前の左手をそっと握り、両の眼を閉じる。 「心臓に電撃を喰らって、分かったことがあります。何で僕が負けたのか。 彼はとても弱かった。肉体的にも、技量的にも、いや、そもそも魔術師が剣士に刃向かうだけで有り得ないんですけど」 そう言ってクレスは残った右手で心臓を擦る。本来なら既に止まっているべき、残された命が振動している。 「それでも、彼は勝った。どれだけ斬っても、腹に刃を埋め込んでも勝てなかった」 キール=ツァイベルの強さの根源。たった一人を守る為ならば、狂人であるクレス以上に狂えた。 誰かを守りたい、救いたいと言う願いは力になる。技術や武器なんて比べ物にならない程の力を。 「それは、彼に守るための強さがあったから。彼だけじゃない。あの城で、あの村で、僕が殺してきた人は誰も僕を見ていなかった。 ただ、守りたい人のことだけを想っていた。僕の剣はそれを斬ることも出来なかった」 誰よりも強くあろうとしたクレスは剣を向ける相手しか見ていなかった。 だけど、相手はそうではなかった。マーテルも、スタンも、ロイドも、その瞳は最後まで救いたい人を、守りたい人を見つめていた。 クレスが満たされないのは当たり前だ。最初から、勝負にさえなってなかったのだから。 「結局、僕は一番弱かった。それはきっと、僕には無かったからだ」 クレスはゆっくりと半分瞳を開けて、答えを告げる。 およそ殺す為の全てを備えていたクレスが負けて、勝った彼らが持っていたもの。 「僕の剣は最初から黒かった。僕の剣は―――――誰かを守る為の剣じゃなかった」 それこそが、誰よりも強いクレスを最弱たらしめる理由。 たかがボア如きに手こずったトーティス村の道場息子を魔王殺しの英雄、時空戦士筆頭へとたらしめたのは村を焼いた業火と降り注いだ雨。 悔恨・憎悪・復讐。クレス=アルベインの強さは絶対的な敗北――――“守るべきもの全てを失った所から始まっているのだ”。 だから負けられない。負ければ全てを失うことを知っているから。 だから強い。強くなければ、何も守れないことを知っているから。 全てを殺して全てを蘇らせるという可能性を真っ先に至ってしまうのは、失うことの意味を体験しているから。 「だから、僕は殺すことしかできない。誰かを倒して、何かを殺して、前にあるものを斬ることしかできない」 呪われたのは、とっくの昔に呪われていたから。クレス=アルベインは最初から魔剣として鋳造されていたのだ。 「でも、こんなにどうしようもない僕を、血塗れた僕を、最後までクレスだと信じてくれた人たちがいました」 だが、クレスはその穢れた左手を握り込み額に当てる。 ロイド=アーヴィングをコレットの眼の前で斬り殺し、苦しみ喘ぐミントの傍には駆けつけることさえできなかった。 どれだけ彼女達を苦しめたかなど数えられるものではない。それでも彼女たちは、魔剣に墜ちた殺人鬼を聖剣を担いし騎士と信じた。 それが自分というものを失いかけたクレスにとって、どれだけ光り輝く導であったか。絶やしてはいけないと誓うに足る救いだったか。 「コレットちゃん、そしてミント。彼女達が願ってくれた僕で在り続けたい。 彼女たちが僕をまだ剣士だと思ってくれるなら――――――――――僕は剣士として、彼女達を守りたい」 それこそが哀れな魔剣の願い。血を吸わずには居られない妖刀であっても、聖剣と同じように誰かを守れるのだと願いたい。 彼女達が信じたクレス=アルベインとして、彼女達を、彼女達が進む世界を守りたいのだ。 『どうやって守る』 「――――――――全てを、斬ります。彼女達を脅かす全てを、彼女達を苦しめてきたこの世界を。 もう二度とこんな魔界が彼女達を引き込まないように、主催者も、この洞窟も、空間も、一切合財を斬って滅します。 それが、人を棄てて僕が得たこの力を今また振う理由です」 例え俺が、殺すことしか出来ない黒剣だとしても。 オリジンは一番内側の腕を組みながら答えを告げたクレスを見つめる。その瞳はお世辞にも真っ直ぐなものではなかった。 瞳孔が散大しかけて、今にも折れそうに危うい瞳だった。そして同時に、崩れ落ちそうな視線を懸命に真っ直ぐにしようとする決意があった。 『お前の覚悟は了承した、クレス=アルベイン。 ならば最後に問おう。この私に何を誓う。その血塗れの手で我が剣を掴み、何を願うか』 「コレットちゃん、ティトレイ。あの場所にいた人たち。彼らなら、きっとこの世界から抜け出して、貴方の願う世界を取り戻せる。 僕はその可能性を守る。僕にしか出来ないやり方で。その為に―――――――力を貸してくれ、オリジン」 紡がれた言葉に淀みは無かった。 剣に出来ることは斬ることしかない。だが剣士はその剣で何かを守ることができる。 だから、今一度クレスは欲する。輝ける光を蝕む闇を斬るための、更なる黒い力を。 『自分がどのような道を選んでいるか、分かっているな。希望を絶やさぬ為に力で絶望を滅する。 自らがより強大な闇となり、あらゆる闇を道連れに堕ちる。それは魔王の道だぞ』 オリジンの言葉には窘めも怒気もなく、ただ案ずるかのような音調しかなかった。 ある哀れな孤児達が引き起こしたデリス・カーラーンの滅び、それを回避する為に別の星の国家を消滅させる。 希望を託せる者達を守るために、望みを託して優勝せんとするマーダー達を戮殺する。 クレス=アルベインが今から歩む道は、紛れも無くかつてクレスが破ったダオスの道に他ならない。 「それで光を守れるなら、僕はこの道を選びます」 クレスは選んだ。いや、もうそれしか選べないとは分かっている。それでも、クレスは自分の意思で堕ちることを選んだ。 今ならダオスの気持ちが分かる気がするとクレスは思った。人は時として、最も莫迦な選択をしてしまう。 あまりに優しくあまりに愚かな、壮烈過ぎて逆に悲壮な決意が、魔王を魔王たらしめるのだ。 『お前は遠からず私を失望させるだろう。三度お前に力を貸すことは、有り得まい』 オリジンは断定するような口調で言う。世界を守る時空剣士は、全てを殺す魔王ではない。 今はまだ高潔と言える精神も、堕ちてしまえば唯の虚言、殺人鬼の戯言だ。だからこそ――― 『だからこそ、今此処に誓うお前に応えよう。最後の時空剣士、クレス=アルベインよ。 例えどれほどお前が堕ちようとも、お前が輝きを守る為にその黒刃を振い続ける限り、我が魔剣の担い手と認めよう』 クレスの眼の前に一振りの剣が顕現する。炎の赤と氷の青を綾なす紫の魔剣が、荒廃した大地に突き立った。 「ありがとう。契約の指輪は要るのか? 力を示す必要は?」 『お前は既に契約済みだ。今のは覚悟を問うたに過ぎぬ。力は―――――私が殺されてはかなわん』 オリジンは自嘲めいた音調で答え、クレスはその剣を引き抜かんと柄に手を伸ばす。 近付くにつれて、クレスは掌に当たる光に言い知れない重みを覚えていた。 ロイド=アーヴィング。自分の知らない、しかし確かに時間を背負った時空剣士。 そしてもう一人、ミトス=ユグドラシル。朝にティトレイが言っていたことが確かなら、クレスが姉を殺したあの少年もまた時空剣士だったらしい。 きっと彼らもオリジンと契約したのだろう。世界を救うための力を、守りたい人を守るための力を得る為に。 だがクレスは違った。ダオス城に入り、ダオスを討つための力を欲した。ダオスが何を成さんとしていたかに想いを馳せることさえ無く。 魔剣に近付く手が僅かに止まる。そんな未熟な契約しかできなかった自分が最後の時空剣士としてこの剣を握る資格があるのだろうか。 だが、クレスは握った。世界に誓った2人分の願いの重みを噛みしめるように掴み、そして魔剣が光り輝く。 『力は、解き放つ一太刀にて示せ。お前の決意を、覚悟を、力を。“お前が手にした剣”で示してみせよ』 クレスがその輝きを両の手で掴む。左手は柄に、そして右手はソードグリップに――――――――― 眼を再び開いて、クレスの瞳は再び現実を捉える。 叫喚と共に三方を取り囲む時空剣技の檻の中、クレスだけがひとり静謐に佇む。 「―――――――――――――――――――――――――――虚空蒼破斬」 アルベイン達の喚き散らすような狂声の中心で、クレスは魔剣を腰溜めに構える。 大地が罅割れんばかりに足の親指に力を溜めたその構えは居合いのそれだ。 骸布に包まれた魔剣に蒼い光が、蒼破斬の闘気が収束する。 「――――――――――――――――次元斬」 蒼破斬と魔王の血。二重の鞘の中で次元斬の紫が輝く。 否、黒布を内側より少しずつ破る程に濃縮するそれは、最早輝きでは無かった。 殺したいから斬るのではなく、守るために斬る。 今までただ溢れていた衝動が明確な1つの目的の為に集束して、この黒を生み出している。 「――――――――空間、翔転移」 蒼い刃が迫りくる中、半分以上張り裂けた鞘の中に納めた剣をグリップと柄で両手持ったクレスの周囲に転移の光が浮かび上がる。 蒼破斬による納刀、次元斬の濃縮、そして翔転移による抜刀。 鞘を厚くしたことで更に高濃度に轟縮された刃は、アルベイン流ではなくクレスだけの剣だ。 「零次元―――――――いや」 転移の光に空間が歪む。刹那にも満たぬ抜刀の中で、クレスはその名を紡いだ。 答えを決めた今、最早歪んだ記憶に覆い隠す必要はない。 闘気の収縮、そして解放。半円ではなく正球状の爆裂は、ある技の模倣に過ぎなかった。 あの城で放たれ、あの地下で人としてのクレスを終わらせた技。お姫様を連れだした筋肉隆々の魔王が放った奥義。 それを斬るため、それに負けないために作り上げられた歪なる時空剣技。 それを、今放つ。白く輝く真なる魔剣<エターナルソード>と、黒く輝く真なる魔剣<キョウキ>で。 「次元斬・重爆<ヘビィボンバー>ッッ!!」 真名を告げて骸布が弾け飛んだ瞬間、空間が爆縮した。 一気に膨張した世界を周囲を取り巻く有象無象の蒼ごと、本当の次元斬が空間を抉り斬る。 それは既に破壊でさえ無い『消滅』。次元斬が発現し終わった場所が光さえ存在しない『無』へと変貌する。 しかし、それは一瞬のことだった。水の中に入った風船がパンと割れるように、無を満たすために周囲の空間が収束する。 それはブラックホールを倍速したかのような光景だった。残る魔剣の出来損ない共が消失する無の中へ吸い込まれる。 断末魔さえ無にされて消えさる彼らは、まるで廃棄処分されるかのように無意味にその存在を終えた。 真打が登場してしまった以上、影打が存在して良い道理など無いのだ。 再び空洞内に静寂が充つる。 だが洞の中に溢れる狂気は途切れることは無かった。たった一人そこに在るクレスだけで、この地下が狂うには十分だった。 誰もが死んだ場所で、存在しない屍の上でクレスは鞘より抜かれた剣を軽く振った。 時を超える魔剣。しかし、その刃の色は紫では無かった。 その両刃は白銀だった。千年経とうが陰り一つ無いだろう輝きを放っていた。 そしてその鍔にはクロスにも見える金色の意匠、その柄との交点には第二の柄<グリップ>が在る。 ソードグリップを用いることもあるアルベイン流に最適化された、クレスの為の魔剣。 太古の昔世界を斬り、そして世界を繋いだ紫ではない―――――魔王の城へ至るために使われた白銀。 アセリア暦4354年・トレントの森。クレス=アルベインが時空剣士となって掴んだエターナルソードたっだ。 ミトスとロイドが途絶え、ついにたった一人に確定した最後の時空剣士が自分の魔剣を背負い直そうとする。 だが、既に鞘を失った魔剣を収納する場所など無く、クレスはそのまま歩みを始める。 「これがお前の招いた剣だ、精々祈れ天上王。だけど―――――――」 剣士クレスは知っている。 自分が何を抜いたのかを、越えてはならない一歩を越えたことを。 それでもクレスは進む。更に奥へ、更なる闇へ、更なる狂気へ。 「お前も、この世界も―――――塵一つ、この世には残さない」 魔王クレスは知っていた。 その額に捲いた白布が紅く滲み始めていることを、とっくの昔に知っていた。 ―――――――――――――――――――――――――――――Cless Win ! Go To Next Stage!! ―【クレス=アルベイン 生存確認】 状態:HP25% TP30% 第四放送を聞いていない 疲労 狂気抜刀<【善意及び判断能力の喪失】【薬物中毒】【戦闘狂】【殺人狂】の4要素が限定的に発露しました> 背部大裂傷+ 全身装甲無し 全身に裂傷 背中に複数穴 所持品:エターナルソードver.A,C,4354 ガイアグリーヴァ オーガアクス メンタルバングル サンダーマント 大いなる実り 漆黒の翼バッジ×2 コレットのバンダナ装備@少し血に汚れている 基本行動方針:剣を振るい、全部を終わらせる 第一行動方針:奥底へ進もう…… 第二行動方針:ミクトランを斬る。敵がいれば斬って、少しでもコレット達の敵を減らす。 現在位置:中央山岳地帯地下 【エターナルソードver.AC4354】 多重契約状態から解放された本来のエターナルソード。 紫の魔剣ではなく、クレスが契約者としてが振るったアセリア暦4354年<未来>の形状となった。 柄にソードグリップを備えた白銀の神剣。クレス=アルベインの為の剣。 【バトルメモ~クレス解禁!黒の刃を解き放て!!】 隠しイベントにやり込み……様々な条件を乗り越えてついにプレイアブルキャラに復帰したクレス! これまでのアルベイン流剣技<Alvein>に加え、勿論今までみんなを苦しめてきたあの強さも健在!! その名は狂剣術<Berserker>。あのゲームバランスを崩壊させる性能が使用可能! ただ撃つだけでも圧勝できるのでどんどん使おう!! ただより高いモノは無いけどね。 【Notice】 新しいスキットが出現しました Select:『五臓六腑に染み渡る優しさ!』 前 次